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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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文教女学院は見た目通りでした。

『只今より大狩流派祭予選トーナメントを開催します。一同礼。』
「「「「よろしくお願いします。」」」」
司会による予選トーナメント開催宣言。
私はとなりにいるみほとは違い本当に寝不足状態。
理由は昨日のはやとの作戦会議。
いい案がなかなか思いつかなかったせいで深夜の二時まで考えるはめになった。
『それでは第一試合。県立大洗女子学園対文教女学院の試合です。両校の隊長、副隊長は前に来てください、』
本当に一回戦目は勘弁してほしいよ。
なんて言ったって開会式直後だから見学者が沢山。
「あなたが大洗の隊長ですか?」
見るからに弱そうな少女が話しかけてきた。
服装は文教女学院のもの。
と言うことは、
「違います。失礼ですが文教女学院の隊長さんですか?」
恐る恐る聞いてみた。
このとき私はこの人が隊長では無いことを願っていた。
「ハイそうです。あまり大会には出ていないもので緊張してしまって。」
私の期待は分かってはいたが打ち砕かれてしまった。
去年の決勝トーナメント第三位の学校の隊長がこんな人なのかとても気になった。
見かけによらず強いのかな?
「すみませんが隊長さんはどちらにいるんですか?」
「そう言えば何処に。」
私も一緒に辺りを見回した。
見つけたと思ったらそこには聖グロリアーナ、サンダース、プラウダ、黒森峰の四校の隊長陣が見学していた。
そこで私は大きな声で、
「みほ。始まるよ。」
と教えた。
するとすぐに振り返り走ってきた。
「遅れてごめんなさい。」
「いえ。審判の方。集まりましたよ。」
文教女学院の隊長さんが審判に伝えた。
「それでは大洗女子学園と文教女学院の試合を始める両校挨拶。」
「ヨロシクお願いします。」
「「「よろしくお願いします。」」」
みほがまず挨拶をすると、みほにあわせて皆が挨拶をした。
『各校所定の位置に移動してください。』
両校とも市街地の端に移動した。
南側に文教女学院が待機している。
『試合開始。』
の合図と同じタイミングでみほから、
『パンツァーフォー。』
と前進の合図があった。
『私たちは正面から攻めます。梨華たちは東側から回り込んで下さい。』
各車の車長が了解と大きな声で返事をした。
「梨華。それじゃあ東方面に行くよ。」
さやねが私に指揮を求めてきた。
車長に頼るのは当然だから仕方がない。
「私たちは東に進路をとって。」
「了解です。」
さやねとは長い付き合いだからこそ失敗がないと信じている。
「はや、私たちと一緒に東方面に進んで。無線傍受を開始して。」
『了解。と言うかもうやっていたよ。』
はやは私がどう指示するか分かっていたみたい。
それならやりやすい。
「向こうの様子は?」
『なんか仲が悪いみたい。無線を使って言い争っているよ。』
どうして仲が悪いのかな。
同じチームなのに。
「他にも分かったら連絡して。」
『了解です。』
仲が悪いなら好都合。
私たちが隠れながら進軍している間動いていないのだから。
『梨華。敵戦車発見したんだけど。気付いていないようなんだけど。』
今度はみほから。
と言うか早くない。
私たちはまだ結構距離が有るんですけど。
『ドォーン。』
無線から砲弾が撃たれた音が聞こえた。
「みほ。まさか撃っちゃった?」
『まさか。撃ったのは文教の方なんだけど、狙いが味方なんだよ。』
今度は仲間同士で攻撃しあっているの。
何て学校。
ある意味凄いかも。
『文教女学院、二両行動不能。残り三両。』
審判による報告。
ここまで酷いなんて。
はやからの情報じゃ分かんなかった。
「みほ。向こうがこっちに撃ってきたら反撃をして。」
『私もそのつもりだった。それにしても仲間同士なのに可哀想。』
私の予想だとこのままでも勝てる。
「さやね。急いでみほのところに向かって。いつでも撃てるように準備しておいて。」
「「「了解です。」」」
『文教女学院、一両行動不能。残り二両。』
審判の報告と同時に、
『見つかった。梨華も急いで。』
みほたちが気付かれたみたい。
『大洗女子学園、二両行動不能。残り三両。』
『みほ。大丈夫?』
私は心配で通信を入れる。
だけどみほは出なかった。
「梨華。文教の二両が見えるよ。」
さやねが私に報告をしてきた。
「はや。そっちで右側をお願い。」
「了解。」
私は一息ついてから、
「発射。」
同時に二両から砲弾が飛んでいった。
2つの砲弾はキレイなまでに平行に飛んでいた。
『文教女学院、全車両行動不能。よって大洗女子学園の勝利。』
審判から勝利宣言を聞いたが勝ったとは思えなかった。
文教女学院はなぜ仲が悪いのかが気になった。
でも見事一回戦突破を果たした。
 
 

 
後書き
何故仲が悪いかと言うと、隊長派と副隊長派で2つに割れたせい。
実力は白河女子高に匹敵します。 
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