IS インフィニット・ストラトス~転生者の想いは復讐とともに…………~
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number-17 the present state
前書き
在り方。
この場合は、ラウラ・ボーデヴィッヒ。
翌日。
学年別タッグトーナメントは問題が起き、一回戦だけやるという判断が下されていた。
それもそうだろう。
何分、第一試合しかやっていないのだから。
織斑一夏のことだが、麗矢が嫌いだと言う前にどうやら意識を失っていて、聞いていなかったらしい。
聞いていたはずのシャルルも一夏に教えようとしていないことから、トーナメント前と同じような日常が続くのだろう。
現に、一夏は麗矢に何もなかった顔で挨拶してきた。
隣にシャルルはいなかったが……まあ、関係ないだろう。
鐘が鳴った。
一組生徒は教師が来る前に全員机に着く。
それを見計らっていたように真耶が入ってきた。何ともタイミングのいいことである。
だが、真耶はどこかやつれているように見える。
それに気づいた一夏に真耶が何か言っているが、麗矢の位置――――窓側の一番後ろ――――では聞こえない。
「はい、えーっと、転校生を紹介します? では、入ってきてください。」
何故か疑問形で真耶が言った。
それに続いてはいってきたのは――――
「皆さん、改めまして。シャルル・デュノア改め、シャルロット・デュノアです。よろしくお願いします。」
今まで男だと思っていた人が実は女だった。
この事実は生徒を驚かせるには十分だった。
さらには昨日、男子に大浴場が開放されていたようだ。
麗矢は疲れたので部屋でシャワーを浴びたのだが、その時に起こったことでまた疲れた。
だから使っていない。
そのことを隣の席から睨んでいたセシリアに伝えるとホッとしていた。
「一夏ぁ!!」
二組である鈴がISを展開して、扉を壊して入ってきた。
そして全力にチャージした衝撃砲を一夏に向けて放った。
一夏は目を瞑るが、予期していた衝撃が来ない。
恐る恐る目を開けてみると、ラウラが戦いで一度も使うことがなかったAICを広げて、止めていた。
一夏がラウラに感謝するも、ラウラはそれを無視して麗矢のほうに向かう。
「麗矢。私はお前に惚れた。こんな私で良ければ付き合ってほしい。」
「……いや、待て。俺はお前のことをよく知らない。」
「これから知っていけばいいさ、返事はいい。これからだから、そういう意思表示だ。」
よくやる奴。
麗矢は不思議と嫌な気にはならなかったが、一夏のにやにやしたあの顔がムカつく。
さっきまで命の危機に晒されていたのに、暢気な奴。
周りの女子の声がうるさかったが――――ようやく千冬が来たことでそれも収まった。
それに、千冬が一夏の頭を叩いていたから、嬉しくなった。
一夏が何かこっちを見ていたが、そのせいでまた叩かれていた。――――ざまあみろ。
麗矢は外を眺める。
今日、正式に梅雨明けが発表され、本格的に夏に入ってきた。
そんな空は雲に覆われることなく、綺麗な青空を広げていた。
――バシン!
突如として頭に走る衝撃。
痛みを堪え、顔を上げると千冬がいた。片手には出席簿を持って。
「ちゃんと授業を受けろ。」
麗矢の返事を聞く前に教卓へ向かっていく。
気を改めてノートと向き合った。
◯
放課後。
麗矢は楯無と武道館で向き合っていた。
楯無の提案でISではなく、生身で戦ってみようということになった。
これは勝敗に関係がないものだ。
「じゃあ、行くわよ。」
「いつでも。」
楯無が合図もなしに麗矢に掴み掛る。
それを左に動いて後ろを取ろうとする。
そうして伸ばされた手を払いのけ、麗矢の体、正中線を狙って掌打を打ち込む。
しゃがんで避けて縮めた足をばねにして、楯無の腹めがけ拳を打ち込もうとする。
だが、その前に楯無が足でそれを止め、頭に掌打を打ち込む。
――――グウッ……
意識が飛びそうになるが何とか保った。
麗矢の拳を止めていた楯無の足をつかみ、バランスを崩させる。そのまま軸足になっているもう一つの足を蹴る。
ドタッと音を立てて倒れた楯無は、地に手を付けて飛び跳ねるようにして立ち上がった。
ちょっと無駄なことをしている間に麗矢も体勢を立て直す。
仕切りなおして今度は麗矢から攻撃を仕掛ける。
麗矢は乱撃を繰り出し続ける。
それを流して反撃に出たいが、予想以上に攻撃が重く流すことで精一杯の楯無。
そんな工房も唐突に終わりを迎える。
――――ッ!!
ゴウッと風切音が聞こえるぐらいの速度で楯無の鼻の先に拳が迫る。
思わず目を瞑ってしまうが衝撃は来なかった。
楯無が目を開けると目の前に拳が止まっていた。
「俺の勝ちでいいか?」
「えっ、ええ。」
接戦であったが麗矢の勝ちである。
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