ハイスクールD×D 万死ヲ刻ム者
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第七十一話 処刑
闇慈達が辿り着いたのは神殿の最深部。そしてその部屋の置くには巨大な装置らしきもの置いてあった。その装置にはあちこちに宝玉が埋め込まれており、怪しげな紋様と文字が刻まれていた。そしてその装置の中央には・・・
「アーシアァァァアアア!」
アーシアが張り付けられていた。それを見た一誠は悲観の声を張り上げる。そしてその横からディオドラが姿を現す。
「やっと来たんだね」
それを見た一誠はバランス・ブレイカーを発動させ、カウントダウンを開始した。
「・・・イッセーさん?」
一誠の声に反応したのか、アーシアが顔を向けた。その顔は目元は腫れ上がっており、尋常じゃない量の涙を流したと思える程に目が赤くなっていた。闇慈はドスを効かせながらディオドラに尋ねた。
「ディオドラ・アスタロト。貴様・・・アーシアに事の詳細を話したな?」
「うん。全部アーシアに話したよ。ふふふ、キミ達にも見せたかったな。彼女が最高の表情になった瞬間を。全部、僕の手のひらで動いていたと知った時のアーシアの顔は本当に最高だった。ほら、記録映像にも残したんだ。再生しようか?本当に素敵な顔なんだ。教会の女が堕ちる瞬間の表情は、何度見てもたまらない」
「・・・」
「本当は堕天使の女・・・レイナーレが彼女を殺し、僕の駒を与える予定だったんだ。しかし君達のせいで計画に大幅なズレが生じてしまったけど、結果的に僕の元にやって来た。これで彼女と楽しめるよ」
「黙れ・・・」
「分かった。もう喋るな。耳が穢れる・・・」
一誠の口から考えられない程の低い声が出た。そして闇慈も外道的な考えと仲間を傷つけたディオドラに殺気を出し始める。
「アーシアはまだ処女だよね?僕は処女から調教するのが好きだから、赤龍帝のお古は嫌だな。あ、でも、赤龍帝から寝取るのもまた楽しいかな?キミの名前を呼ぶアーシアを無理矢理抱くのも良いかもしれ・・・」
「黙れェェェェェェ!!!」
『Welsh Dragon Balance Breaker』
「喋るなぁぁぁぁぁぁ!!!」
一誠の中で怒りが弾け飛び、2分と経たずに完全なバランス・ブレイカーと化した。闇慈も怒りを爆発させ、魔力が漏れ始める。
「ディオドラァァァァァァ!てめぇだけは!絶対に許さねぇ!!」
「貴様はクズだ!!貴様のような奴は生きる価値もない!!ここで貴様に『死』を見せ、二度と転生出来ないように魂も斬り裂いてやる!!来い・・・来いよ・・・俺は・・・ここに居る!!」
闇慈はセイクリッド・ギアを発動させ、デスサイズ・ヘルを右肩に担ぐ。二人の殺気と魔力の波動で周りの装飾品に傷が入って行った。
「「ここは俺達にやらせて下さい!部長(リアス先輩)!!」」
「イッセー、アンジ。全員で倒すわ・・・と言いたいところだけれど、今のあなた達を止められそうもないわね。手加減してはダメよ」
「「勿論です!!」」
闇慈と一誠がリアスから了承を貰った一方でディオドラは楽しげに高笑い、全身からドス黒いオーラを出していた。
「アハハハハ!凄いね!これが赤龍帝と死神!!でも僕もパワーアップしているんだ!!オーフィスから貰った『蛇』でね!キミ達なんて瞬殺・・・」
一誠は背中の噴出口から火を噴かして。そして闇慈は魔力を足に留めて素早さを格段に上げ、瞬間的に距離を詰めると一誠はディオドラの腹に、そして闇慈は魔力を留めた足で顔面に空中回し蹴りを鋭く打ち込んだ。
ドゴォォォオオオン!!!
ディオドラは、くの字に曲がると壁に激突し、血と内容物を吐き出していた。顔からも夥しい血を流していた。
「瞬殺がなんだって?」
「くっ・・・こんなことで!僕は上級悪魔だ!現魔王ベルゼブブの血筋だぞ!!下級で下劣で下品な転生悪魔やただの死神に気高い血筋が負ける筈が無いだ!!!」
ディオドラが前に手を突き出すと無数の魔力弾が展開され、闇慈と一誠に向かって放った。
しかし闇慈には無意味だ。闇慈は魔力を弾くAMCマントでその魔力弾を弾く。一誠はタンニーンとの修行の成果が出たのか鎧に魔力弾が当たっていたが一誠は何ともないようだった。
「そんな・・・僕の攻撃が効いていない!?パワーアップした僕の攻撃が!?」
「そんな他人の頼りの、偽りの強さで俺達を止められるとでも思っているのか?」
闇慈が言い放った瞬間、二人は再び一瞬で詰め寄ったが今度は障壁を何枚も張った。
「これなら幾らパワーバカの赤龍帝でも届かないよ!!」
「バーカ。お前は俺しか見えてないのか?頼むぜ!闇慈!!」
「任せろ!!」
闇慈は魔力を溜めたデスサイズ・ヘルでその障壁を叩き斬った。その障壁が壊れるとそれを待っていたかのように一誠が鉄拳をディオドラに打ち込む。
「痛い・・・痛い。痛いよ!!」
「そんな傷に比べたら、アーシアが負った心の傷に比べれば月とスッポンだ!!簡単には殺さないぞ・・・死神が与える『死』には苦痛と恐怖を伴う!!そして龍を怒らせるとどうなるか、その身で味わえ!!イッセー!!」
「砕けろ!!」
闇慈が普通のデスサイズ・ヘルで、一誠は鉄拳と蹴りでディオドラの四肢を使い物にならなくした。
「うわぁぁああ!!!僕の・・・僕の手と足がぁぁぁ!!!」
「さあ・・・処刑の時間だ!!」
闇慈はディオドラを壁に投げ飛ばすと、壁に突き刺さった。そしてシャドゥ・ルーラーで影を操り、四肢の動きを封じ込め、『磔』の状態にする。
そして闇慈は『ダークネス・ハウリング』。一誠は『ドラゴンショット』を放つ為に魔力を集め始めた。
「ま、待て!僕が悪かった!!君達の悪口も言わない!!そ、そうだ!!僕の計らいで君達を昇級させて上げよう!!だから頼む!!命だけは!!」
ディオドラの命乞いに二人は貸す耳すら持っていなかった。
「断る・・・。全てを深淵なる闇に引きずり込め!!!」
「てめえの敗因はシンプルだ、ディオドラ。てめえは俺達を・・・怒らせた!!!いっけぇぇぇ!!!」
「「ダークネス・ハウリング(ドラゴン・ショット)!!!」」
そして闇慈と一誠は留めた魔力に鉄拳を打ち込み、レーザーを発生させた。その2本の赤と黒のレーザーは渦巻き、ディオドラに襲い掛かった。
「ちくしょおおおぉぉぉ・・・」
レーザーはディオドラを用意に飲み込み、姿が見えなくなった。そしてそれが晴れると黒焦げになったディオドラが失神したまま地面に倒れ付した。
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