仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四十話 会えるって信じてたからその十三
「確かに美味しいわね」
「そうですよね。このお店のバスタって美味しいんですよ」
「パスタは。イギリスでは」
どうなのかとだ。彼の横にいるサテライザーが話した。
「こんなにこしがなかったわ」
「えっ、こしのないパスタって」
どうかとだ。それを聞いたミネットが引いた。
「食べられたものじゃないんじゃ」
「そんなもの食えたものじゃない」
ムッツリーニもぽつりと言う。
「イギリスの料理は聞いていたけれど」
「僕も日本に来てよくわかりました」
サテライザーと同じくイギリス人であるジョージの言葉だ。
「イギリスの料理は酷いものです」
「というか何でどの世界でもイギリスの料理は酷いのかな」
啓太郎はそのことを不思議に思った。
「それがわからないんだけれどね」
「どの世界でもイギリスの置かれた状況が同じだからだろ」
クレオはそうではないかと言った。
「だからな。イギリスの料理はどの世界でも不味いんだよ」
「成程。そうなんだ」
「まあとにかくです」
「日本の料理は美味しいです」
サテライザーとジョージはこのことは保障した。
「幾らでも食べられます」
「このスパゲティにしても」
「ならどんどん食べましょう」
長田も実際に食べている。彼女が食べているのはボンゴレだ。
「この世界での戦いは終わったんですから」
「そうですね。ただ」
「ただ?」
長田はまどかの今の言葉に顔を向けた。まどかはミートソースを食べている。
「どうかしたの?」
「いえ、こういうのって久し振りですから」
微笑んでだ。まどかはこう言うのだった。
「お父さんとお母さんも私のこと受け入れてくれましたし」
「あっ、それも普通のままだったんだよね」
木場はイカ墨を食べていた。イカ墨のスパゲティだ。
「まどかちゃんお家にいるってことになってるんだ」
「はい、消える前のままでした」
「よかったね。けれどどうして何もなかったことになったのかな」
「それはスサノオがしたんだろうね」
そのせいだとだ。キュウべえはここで指摘した。
「どういう考えかわからないけれどね。スサノオはまどかを家族に戻したんだよ」
「あいつそんなことする奴だったの?」
「この世界での仕掛けを破ったご褒美じゃないかな」
それではないかとだ。キュウべえはさやかに答える。
「そうじゃないかな」
「ご褒美って?」
そう言われてもだ。さやかはぴんとこなかった。
それで首を捻ってだ。こう言うのだった。
「あいつはそんなことする奴かしら」
「だから。そうじゃないかなってね」
また言うキュウべえだった。
「そう思うよ、僕はね」
「あたし達がこの世界でのあいつの仕掛けを破ったからまどかを元の場所に戻した」
「そう考えるといいところあるのか?」
「そうなのかしら」
杏子もマミもだ。考える顔になる。
「何かな、ちょっとな」
「そんな感じはしないけれど」
「あいつはな。気紛れなところもあるんだよ」
乾はいぶかしむ魔法少女達に言った。
「それでたまたま気が向いただけかも知れないな」
「それか黒衣の青年か」
三原は彼をその話に出した。
「彼がしたのかも知れない。けれどどちらにしろ」
「まどかは私達の世界に戻った」
ほむらはぽつりとこの事実だけを口にした。
「それは確かね」
「うん、だからね」
まどかはにこりとした笑みをほむらに向けて言った。
「これから。また宜しくね」
「ええ」
ほむらもだ。本当に微かであるが。
まどかに微笑みを向けた。そうして言う言葉は。
「これから。ずっとね」
「うん、一緒だね」
二人で確かめ合うのだった。その絆が再び戻ったことを。そのことを何よりも深く確かめ合うのだった。戦いに勝利を収めたその宴の中において。
第四十話 完
2012・4・22
ページ上へ戻る