仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第三十七話 感じられるから人間なんだよその四
「それは」
「そういうことなんだよ。オルフェノクか人間かってのは心なんだよ」
「魔法少女が心をなくせば魔女になる」
ほむらはこの事実に気付いた。今。
「そういうことなのね」
「まあそうだろうな。とにかくな」
「ああ、さやかの方に行かないとな」
「あちらも激しい戦いの筈です」
杏子とマミがすぐに応える。こうしてだ。
戦士達は別の戦場に赴こうとした。しかしここでだ。
木場達が乾達のところに来た。そうして言うのだった。
「こっちは終わったよ」
「今さっきな」
木場と海堂がこう話す。
「とりあえず俺がサイガになって」
「俺がオーガでな」
「私ははじめてリオトルーパーを使いました」
長田も言ってきた。
「何とか使えましたけれど」
「俺達はいいんだ」
木場は少し浮かない顔で乾達に話す。
「けれどね。あの娘がね」
「さやかちゃんは。何か」
長田も眉を少しばかり曇らせてだ。乾達に話してきた。
「今一つ切れのよくない感じでした」
「まともに戦ってくれることは戦ってくれたけれどね」
そういう意味では大丈夫だったとだ。木場は述べた。
「けれど。何か心あらずって感じで」
「ちょっとそれが気になったら」
「それでさやかさんはどこですか?」
マミが三人に尋ねた。魔法少女の面々はまだ戦う姿である。
「木場さん達と一緒ですか?」
「あっ、もう少ししたら来るよ」
木場がそのマミに答える。
「だから待ってくれればね」
「ここにもですか」
「来てくれるよ。ただね」
「ただ?」
「やっぱりね。本調子じゃないのかな」
今度はいぶかしむ顔になり首を傾げさせてだ。木場は言った。
「調子がよくない感じだったよ」
「そうだったんですか」
「さやかちゃんってはっきりした娘だよね」
「はい、そうです」
その通りだとだ。マミも木場の問いに答える。
「男の子と一緒に遊べる位に」
「クラスでも学級委員だしな」
杏子も木場達、ひいては乾達に話してきた。
「面倒見がよくて活発な奴だぜ」
「そうだよね。見るからにそうした感じだよ」
木場もこのことは察していた。しかしだ。
難しい顔になってだ。また言うのだった。
「けれど。さっきの戦闘はね」
「何かおかしかったんだよな」
「そうですか」
「まあな。中学生の歳頃だとな」
海堂がこんなことを言った。
「色々あるさ。俺だってそうだったしな」
「海堂さんってどんな中学生だったんだよ」
「普通だよ。ギターやって女の子のことばかり考えてな」
そうした中学生だったとだ。海堂は杏子に答える形で話す。
「それでツレと適当にやって受験とか考えたりな」
「普通の中学生だったんだな」
「高校でもそんな感じだったぜ」
海堂は軽い身振りを交えながら魔法少女の面々に話していく。
「今と大して変わらないだろうな」
「で、ああしたことがあってオルフェノクになってか」
「今は画家やってるんだよ」
「人生色々だよな。っていうかな」
杏子は腕を組んで考える顔になりだ。背筋を伸ばしつつ述べた。
「海堂さんも辛かったんだな」
「まあ。やけくそになった時もあったな」
「あたしもそんな屑な教授だか何だかには会ったことないからな」
「そんな奴会わないに越したことはないさ」
「あたしよりもずっと辛い目に遭ってもなんだな」
「おいおい、そっちも充分辛いと思うんだけれどな」
海堂の態度は明るいままだ。しかしその言葉は真面目なものになっていた。
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