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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第三十六話 心があるから人間なんだよその八

「一体何なんだよ」
「あっ、それは」
 乾に言われてだ。さやかもはっと気付いた。それでだ。
 咄嗟に自分の言葉を引っ込めてだ。こう答えた。
「何でも。何でもないです」
「本当にか?」
「はい、ですから」
「何もないんだったらいいけれどな」
 さやかが何かを隠しているのは察しながらもだ。乾はとりあえずはよいとした。さやかは泣くのを止めて姿勢を正して黙った。二人のやり取りが終わってからだ。
 キュウべえは一同にあらためてこう告げた。
「とにかく。君達はこれから共戦することになるね」
「そうだよな。まあとにかくな」
「宜しく」
 杏子とほむらがキュウべえに応えて乾達に告げる。こうしてだった。
 ライダーと魔法少女達は共に戦いこの世界にも介入しているであろうスサノオに対することになった。喫茶店でのやり取りの後でだった。
 一同は一旦解散となった。それからだ。
 マミは自分の家、マンションにある一室に帰った。そこにほむらと杏子も一緒に入る。そして家の中でも紅茶、テーブルを囲んでそれぞれの座布団の上に座りながら話をはじめた。杏子は紅茶を飲みながらだ。マミに顔を向けて言った。
「なあマミさん」
「どうしたの、杏子ちゃん」
「あのさ、さやかの奴だけれどさ」
「何か隠してるっていうのね」
「ああ。そんな気がするんだけれどな」
「私もそう思うわ」
 そしてマミもだ。そのことを感じ取っていた。そのうえでだ。
 その杏子に対してだ。こう言ったのだった。
「さやかちゃん時々ああしてね」
「急にムキになったりな」
「そうね。誰かを必死に守るみたいな」
「そんなところあるんだよな」
「だとしたら誰かしら」
 マミは紅茶の入った白いカップを手にしてだ。考える顔になった。
「誰を守ろうとしているのかしら」
「家族じゃないよな」
「さやかちゃん家族の方はいるけれど」
「親父さんとお袋さんだったよな、家族は」
「一人っ子だった筈よ」
「じゃあ誰なのかしら」
 考える顔で言うマミだった。
「その相手は」
「あいつ友達は多いけれどな」
 杏子はさやかのことをだ。さらに言った。
「あたしと違ってな」
「私も。お友達はね」
 その話題になるとだ。マミも辛かった。ほむらも沈黙を守っている。
「あまりいないから」
「だよなあ。あたしなんてやっとまた中学に通う様になったしな」
「そうよね」
 その辺りはだ。杏子はお世辞にもいいとは言えなかった。
「杏子ちゃん暫く学校に通ってなかったわね」
「そうなんだよ。まあすんなり復学できてよかったよ」
「出席日数大丈夫だった?」
「ギリギリで何とかなりそうだよ」
 そちらの心配もいらないとだ。杏子はマミに答えた。
「いや、本当によかったよ」
「そうね。何よりよ」
「それはそうとして」
 ほむらはこの場ではじめて口を開いた。そのうえで二人に尋ねてきた。
「貴女達今はこのお部屋に一緒に住んでるけれど」
「ええ、それが一体?」
「何かあるのかよ」
「お金とかは大丈夫なのかしら」
「両親の遺産があるから」
 だから大丈夫だとだ。マミはほむらに答えた。
「それに遠い親戚がいて仕送りとかマンションの家賃を払ってくれるから」
「だから大丈夫なの」
「奨学金もあるから」
 マミの奨学金のことである。
 
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