仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第三十五話 モンスターアタックその十五
「全くだ」
「そうだな。確かに俺達は勝った」
「しかし手前の思惑通りには進んだ」
「それならばいい」
実際にだ。スサノオのその声は満足しているものだった。
「これでいいのだ」
「そうかよ。それでだな」
「私は満足してこの世界から消えよう」
スサノオは今度は龍騎に対して告げた。
「では諸君、また会おう」
「次の世界でか」
「そうだ。その時を楽しみにしている」
こう言ってだった。スサノオはアビスのその姿をだ。派手に爆発させてだ。
戦いは終わった。戦場に立っているのはライダーとその仲間達だけだった。
サテライザーも戦いを終えていた。だがまだその手に剣はある。
剣を手にしたままだ。サテライザーは言った。
「とりあえずはね」
「はい、終わりましたね」
「何とかね」
こうだ。サテライザーは微笑んでカズヤに述べたのである。
「勝てたわね」
「そうですね。けれど」
「終わったのはあくまでこの世界の戦いだけよ」
「ですよね。だから僕達の戦いは」
「まだ続くわ」
この世界で終わりではないというのだ。戦い自体は。
このことは既に何度も言われている。だが二人はそれでもここで話したのだ。
そしてそれを受けてだ。城戸、変身を解いた彼がだ。こう二人に言ってきたのだ。
「まあ終わったんだよ。こっちの世界での戦いはな」
「それならですね」
「そうだよ。そのことは祝おうぜ」
「そうですね。一つの勝利の祝福はしましょう」
サテライザーはその城戸に清らかな笑顔を向けて答えた。
「これから」
「ああ、それじゃあな」
「和食を作ります」
カズヤに言ったことをだ。サテライザーはそのまま城戸に告げた。
「少しの間待って下さい」
「和食?何を作ってくれるんだ?」
「鍋を考えています」
清らかな笑顔のままでだ。サテライザーは城戸に話す。
「皆で食べられますから」
「鍋ならすき焼きがいいな」
秋山はこの鍋を進めてきた。
「あれなら誰でも食べられる」
「すき焼き?あの牛肉を使った」
「そうだ。あの鍋だ」
秋山はサテライザーがわかっていることを察して返した。
「それを皆で喰おう」
「わかりました。それなら」
こうしてだ。祝いの食事はすき焼きになった。早速だ。
直径十メートルは優に越えるその鍋を囲んでだ。皆食べはじめた。その鍋には。
牛肉に葱、豆腐、ふ、それに糸こんにゃくが入っている。そういったものを箸で取って食べながらだ。その中で城戸はだ。こう言ったのである。
「やっぱり御祝いにはすき焼きだよな」
「そう思われますか、城戸さんも」
「鍋は何でもいいけれどな」
その中でもだというのだ。
「すき焼きは一番だよ」
「ではだ」
秋山が言う。
「関西風でいこう」
「関西風?」
だがサテライザーはそう言われてもだった。目をしばたかせてだ。
そのうえでだ。こう言ったのだった。
「関西風といいますと」
「すき焼きの料理の仕方も地方によって色々だ」
「日本のそれぞれの地方で」
「そうだ。だからここではだ」
「関西風のすき焼きですか」
「それにしよう」
「ああ、それいいな」
秋山の提案にだ。北岡も乗ってきた。
「じゃあそれな。関西風のすき焼きな」
「いえ、私は」
だが、だ。作るサテライザーはだ。こう言うのだった。
「金沢風のすき焼きを考えていたのですが」
「金沢風のすき焼きだと」
「それってどういったやつなんだよ」
「それは出来上がってからのお楽しみです」
今は詳しいことを話さないサテライザーだった。
だがそれでもだ。彼女は微笑んでだ。こう秋山と北岡に対して言ったのである。
「ですが。美味しいです」
「わかった。ではだ」
「今回はお任せだな」
「楽しくお祝いをしましょう」
微笑んでだ。サテライザーは仲間達に告げた。
「この世界での戦いの終わりを」
「ああ、それじゃあ酒も出そうぜ」
城戸はもう完全に乗り気だった。そのうえでだ。
酒も用意すると言って宴の用意をするのだった。何はともあれ戦いは終わった。そして戦士達は今はだ。そのことを心から祝い御馳走を楽しむのだった。
第三十五話 完
2012・3・20
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