仮面ライダー　エターナルインフィニティ

「俺達が何もしないとだ。御前は思っているのか」
「ライダーの君達がか」
「そうだ。そうしないと思っているのか」
「全く思っていない」
　スサノオは余裕のある確信を以て答えてきた。
「そんなことは有り得ない」
「その通りだ。貴様がスサノオならばだ」
「そう思う筈がないな」
「御互いにそうだということだ」
「答えなんてもう出てるんだよ」　
　龍騎も再びスサノオに対して言う。ナイトとの動きは連動していた。
「だからな。もうはじめるか？」
「気が早いな。やはり」
「それで悪いのかよ」
　龍騎は今度は挑発気味に言ってきた。
「どうせ闘うんだろ。それならな」
「はじめるとするか」
「銛で突き刺してやるぜ」
「それでだ」
　ナイトは今度は龍騎に対して尋ねた。
「その銛は何だ」
「御前だって持ってる奴だよ」
　龍騎はナイトに対してだ。こう返したのだった。
「それだよ」
「俺もか」
「ああ、俺が持っていて御前も持っている奴だよ」
「わかった」
　ここでだ。ナイトもようやく理解した。そのうえでだ。
　納得した様に龍騎に顔を向けたまま頷きだ。そして言うのだった。
「あれだな」
「これでわかったよな」
「完全にな。しかし御前らしくないな」
「俺らしくない？何でだよ」
「御前みたいな馬鹿がこうした味のある例えをするとはな」
　ナイトが今言うのはこのことだった。
「それは思わなかった」
「くそっ、俺が馬鹿だってのかよ」
「それ以外にどう思えるんだ」
「これでも普通に大学出てちゃんと仕事してるんだぞ」
「学校の成績じゃない。御前は人間的に馬鹿だ」
「馬鹿馬鹿って何処まで言うんだよ」
「馬鹿だから馬鹿だと言う。しかしだ」
　だがそれでもだとだ。ナイトは龍騎に対して告げた。
「その馬鹿だからこそだ。御前は何でもできる」
「俺が馬鹿だからか」
「そうだ。そしてその御前に乗るということはな」
　少し自嘲めかして笑ってだ。ナイトはこんなことも言った。
「俺も馬鹿なのだな」
「じゃあ俺達は同じかよ」
「馬鹿同士だからこそ誰かを信じられる」
　ナイトは横一列になった姿勢でだ。龍騎に対して述べた。
「誰かを信じられないのなら。仲間を信じられないのなら」
「馬鹿の方がいいってんだな」
「そうだ。だから俺も馬鹿だ。馬鹿でいい」
「ああ、じゃあ馬鹿二人でな」
「闘うか、最後の闘いを」
　二人でスサノオを見てだ。そうしてだった。
　スサノオに向かう。しかしだった。
　スサノオは構えを取らなかった。その代わりにだ。
　動いた。そしてその速さは。
「！？何だよ一体」
「この速さは」
　龍騎もナイトもだ。その速さに目を瞠った。あまりにも速く見えなかったのだ。
　そしてだ。まるで群れた鮫が襲い掛かる様にだ。龍騎とナイトに襲い掛かってきたのだ。
　二人はそのスサノオ、即ちアビスの攻撃に次々にダメージを受ける。それを見て。
　カズヤは唖然としてだ。こう言った。
「なっ、あれは」
「鮫ね」
　サテライザーは残り少なくなってきた鮫を倒しながらカズヤに答えた。
「まさにね」
「そうですね。一人しかいない筈なのに」
「鮫は一匹では襲い掛かってこないわ」
　サテライザーは鮫についてだ。こんなことを言った。