八条学園騒動記
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第百二十三話 またまた登場迷探偵その九
「怪盗ネコ型ルパンのな」
「遂にきたのよ」
「なあ、ところでな」
フックは彼等の叫びをよそにあることを皆に対して問うた。
「カマンベールのドラ焼きってな」
「ああ、それな」
「何か変わってるわよね」
「美味いのか?」
彼の関心はそこに行っていた。
「それって」
「さあ。どうだろうな」
「あまり美味しそうじゃないけれど」
「だよなあ」
彼にはどうしても賛同できないものがあったのだった。
「やっぱりな。ドラ焼きにカマンベールってな」
「合わない合わない」
「絶対に」
皆も結論を出した。
「どう考えてもな」
「それはな」
「そういや他にもあったよな」
フックは己の中の記憶をさらに辿る。
「ドラ焼きにマスタードとケチャップとか」
「うわ・・・・・・」
「あったあった」
皆にとってはあまりい記憶ではない。
「他には醤油とラー油とかな」
「他にもタバスコとか」
「全然合いそうにないけれど」
「やっぱりドラ焼きはあれだよ」
フックはここで力説するのだった。
「普通に食べるのが一番だよな」
「そうだよな。どう考えてもな」
「それしかないわよね」
「それとお茶だよ」
黄金の組み合わせである。
「日本のな。それしかないな」
「だよねえ。その組み合わせ」
「それが一番よね」
皆で言い合うのだった。やはり皆の舌は普通であった。
「けれど。カマンベールのドラ焼きって」
「どうやって作るのかしら」
「餡子が入ってないとドラ焼きじゃないんじゃないの?」
「そうだよなあ」
「絶対にな」
「大体何でカマンベール!?」
この疑問も出て来た。
「美味しいとかどうかじゃなくて」
「フランスだからかしら」
「昔の人はわからないな」
このネコ型ロボットの漫画が生まれたのは二十世紀でありこの時代から見れば完全に古典である。だからこうも言われるのだった。
「まあとにかく。その怪盗!?」
「何で?」
「俺にはわかる!」
「私にもよ!」
テンボとジャッキーの力説は相変わらずだった。
「謎は全て解けた!」
「後はそのネコ型ロボットを探し出すだけよ!」
今度はこんなことを言い出してきた。
「さあ、行くか」
「行くわよ」
さらに言う二人だった。
「というわけでフランスに行って来る」
「後は宜しくね」
「フランス!?」
アンは二人がフランスに行くと言い出してきたのでこれまた顔を顰めさせた。
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