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俺が魔王の息子ってマジですか!?

作者:ユウスケ
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7話 黒龍が復活しました。

ー紅蓮視点ー

さて、自室で戦闘準備が出来た俺なんだけど……。
何、このコスプレ?
黒いコートにズボン。
デザインがまるでDN(ノートの方ではなくエンジェルの方です)の主人公スタイルだ。

「紅蓮様!お似合いでございます!」

「そうか……。」

ヒルダに褒められ、返事を返す。
一応鏡で見てみるが、どこかのコスプレヤーにしか見えない。
コレで外に出るのか・・・。
この格好で外に出ると思うと本当に憂鬱になる。
少しブルーな気分になった俺は、机の中にあるフォルカス先生が
つくってくれた精神安定剤を飲む。
薬漬けの魔王の息子か・・・。
そんな事を考え、ため息を出すとドタドタと廊下から音が聞こえてきた。
そして、その音はどんどん俺の部屋に近づいてくるのがわかる。
なにかあったのか?

バタン!

「紅蓮様!大変でございます!!」


「どうした?」


大きな扉を開ける音と、
共にYシャツ、パンツ一丁の変態である転送悪魔のアランドロンがやって来た。
え!?何!?どーしたの!?誰か!エマージェンシーコール!!
助けて、エアーマン!!!!!っと、内心はこんな感じでパニックに陥りながら
表面だけは冷静に対処する。
俺、もしかしたら詐欺の才能あるんじゃね?


「焔王坊ちゃまが転送玉を持ち出し、封印の山へと向かわれました!!」

「なんだと!?」

「……」

アランドロンの話を聞いて、驚くヒルダ。
で、俺は……。
あれ?俺、行かなくていいんじゃね?
弟は本物の魔王の息子だし、どっかの金色の子供よろしく、バオウ(炎バージョン)で焼き殺せるんじゃね?
と、そんなことを考えていた。

「では、お二人共。準備はよろしいですかな?」

「うむ」

「?」

考えているうちに、二人の話は終わったようで、アランドロンが何かを言っているが、
話を聞いていなかったのでよくわからない。
準備?何それ?ヒルダ教えて。
わからなかったから、ヒルダに何の準備か尋ねようとしたら……。

「それでは……いきますぞ!!!」

パカァ

「ん?」

アランドロンが割れてヒルダと一緒に飲み込まれました。
アアアアアァァァァァァァァァッァァァァァ!!!!!
誰かーーーーー!ヘルプミーーーーー!!







ドクン!




ー焔王視点ー

イザベラ達に反対されて、納得したフリをして見事転送玉を持ち出した余。
ふふふ、これで黒龍とラミアは……、ぐへへへへ。
おっといかんいかん。
さっさと、行かねばイザベラ達にバレてしまう。

カッ

「ここか……」

余が転送したのは黒龍が封印されている山にある『封印の間』。
洞窟の中のような部屋で、床に封印の魔法陣がある。
どうやらまだ復活しておらんようじゃの。
ふふふ、兄上もまだ来ていない。
今のうちじゃ!!

10分後


「何故じゃ!どうして封印が解けん!!」

封印を解くために色々した余。
しかし、どれも効果が無かったのか、変化が無いのじゃ。
こんなことならイザベラ達を説得し、連れてこれば……。
だが、今更後には……。
どうにかならないものかと考えておると、後ろから気配がした。
まさか、兄上か!?

「坊ちゃま!」

「早く城へ戻りますよ!!」

「さすがに今度はやば過ぎますって!」

振り返ると、目の前にいたのはイザベラ達であった。
おそらく、ヨルダの転送でここまで来たのじゃろう。
ちょうどいい、説得して封印を……。

バチィ!

ん?
魔法陣から、何かがはじけるような音がした。
まさか……。

バチィ!バチバチバチ!

「焔王坊ちゃま!!」

カァァァァァァァ!!!

魔法陣からはじける音が強くなり、何かを察知した、イザベラに腕を引っ張られる。
すると、魔法陣が黒く光だした。
間違いない、封印が解けたのじゃ!
コレでラミアは……。

ズズズズズ!

魔法陣からゆっくりと出てくる、黒龍。
ではさっそく、決めセリフを言った後、華麗にぶっ倒してやるのじゃ!!
余はポーズを決めて、セリフを言う。

「黒龍!余の家来になるのなら許してやる。
もし、戦うと言うのなら……

ギャァァァァァァ!!」

「「「キャァァァァァァァ!!!」」」

ドゴォォォン!!

ヤツめ!余がかっこよくセリフをいっている隙に、
巨大な口から黒い炎の玉を余に放ってきたのじゃ!
何とか、華麗に避けた←(全速力で逃走)が、なんじゃあの威力は!
余は戦略的撤退をしながらチラリと後ろを見る。
すると、さっきまでいた場所の床にデカイ穴が空いておる!どこのラスボスじゃ!!
あんなバケモノの相手していられるか!

「ヨルダ!転移を!!」

「わかったわ!!って、キャァァァァァァァ!!」

ボォォォォ!!

走りながら、イザベラがヨルダに転移の指示を出すが、後ろから黒い炎の玉が!!
来るぅぅぅぅぅう!死ぬぅぅぅぅぅぅぅ!!
もう、叫んでいる暇さえない。
黒い炎の玉が迫ってくる。
余、終わった。

ドテ!

「「「坊ちゃま!!」」」

終わったと思った瞬間、足がもつれて転んでしまう。
イザベラ達が、叫んでこっちに来るが何故かゆっくりに見える。
後ろを見れば、黒い炎の玉はもう、余の数メートル先。
衝撃に備え、目を瞑って体に力を入れる。

・・・・。

体に力を入れて衝撃に備えていたのだが、何も来ない。
後ろを恐る恐る振り返るとそこには……。

いつもYシャツとパンツ一丁のアランドロンと兄上に仕えているヒルデカルダ。
そして、その二人の前で右腕を突き出し、黒龍と対峙している兄上が居た。


「ぬるい。この程度か?黒龍よ」


『ほう、貴様は……』



どうやら、兄上は片腕一本で黒龍の攻撃を防いだようじゃ。
しかも、ぬるいとか言って挑発しておるし……。




















一言だけ言わせてもらおう。

余は、兄上と絶対にケンカしない。







おまけ(※ほとんど会話)

「師匠。この薬はどうしたんですか?」

「ん?ラミアか……。それは紅蓮様に頼まれて私が作ったものと友人に頼まれて作ったものだ」

「へ~、師匠の自作……って!紅蓮様どっか悪いんですか!?」

診療の準備をしていると、私の弟子であるラミアが、机の上に置いてあった2つの薬を手に取り
質問してきた。
すぐに答えたのだが、紅蓮様を心配してか私の襟を掴み、ガクガクと揺らす。
まあ、兄のように世話をしてもらっていたうえ、初恋と来た。
この反応はしょうがないと思うが・・・。

「やめんか!」

ボカ!

「いったーーー!!」


鬱陶しかったので、拳骨を頭に振り下ろした。


10分後

ようやく、落ち着きを見せたラミアに紅蓮様が病気でない事を伝える。

「それじゃあ、なんの薬なんですか?」

「落ち着くための薬が欲しいと仰っていたからな、精神を安定させる薬だ」

「あ~。確かに紅蓮様は大魔王様の事なんかで苦労してそうだから、
納得できますね」

「まあ、私もそれだろうと思う。」

「で、師匠のご友人の方の薬はなんですか?」

「ああ、なんでもそいつの息子がとんでもないチキンでな。
いじめられているうえに、引きこもりなんだと。
それで、薬がきっかけでもいいから前向きになってもらいたいんだそうだ」

「うわぁ、かなり重い話ですね」


「まあ、この薬は簡単に説明すると『興奮剤』しかも明日中にと言うから
今日までに副作用がないように調整しないといけないんだ」

「副作用って……一体何が起こるんですか?」

「ああ、好戦的になるな」

「それは、早くなんとかしないといけませんね」

「そうだな、ってもうすぐ診療時間だ。
ラミア。悪いが、紅蓮様に薬を届けてくれないか?」

「わかりました!」

「右のやつが、紅蓮様ので左のやつが今日改良する奴だからな。」(フォルカス先生から見て右)


「はい!」(ラミアから見て右。)












「紅蓮様!薬を届けに来ました!」

「感謝するぞ、ラミア」


 
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