魔法少女リリカルなのは 異形を率いる男
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4.原作開始
前書き
実力テストがあったので更新が遅れてしまいました。
「正体不明の魔力体が海鳴市周辺に落下してきました」
ブラックの唐突な知らせに午前二時になろうかという時間に夜市は起こされた。
彼にとってはこんな時間に起こしてほしくは無いのだが、この手の事に関しては起こせと言ってあるので怒る事は出来ない。むしろ褒めるべきことだ。
少し眠気の残る頭を回転させ、ブラックに指示を出す。
「何処に落ちたのか特定できるか?」
「強力な魔力を発しているため、大まかな位置特定しか行えませんが」
ブラックの返答は夜市が予想していた通りのものだった。
そうでなくては、なのは達が回収にてこずっていたことが説明できない。そうと分かればすぐ行動を起こさなくとも問題は無い。
ならば今のところは寝よう。
現在の時間は深夜であり、このまま起きている理由もない。
幸い眠気はまだ残っているので、目を閉じれば簡単に寝付けるだろう。何より自分の大事な睡眠時間をこんな事で短くすることはしたくないのだ。
彼はそんな考えで再び布団をかぶり直し目を閉じた。
すると心地よい睡魔に引き込まれ彼はすぐに意識を手放した。
―――――
なんてことがあった日の昼。彼は学校の屋上でいつもの三人と弁当を広げていた。
夜のことがあり、原作が開始しているのは分かるのだが、そんな九年も前のアニメの内容などほとんど覚えているわけもなく、重大な所ぐらいしか覚えていないのが正直なところである。
夜市がそんな事を考えながら、弁当を摘まんでいると、なのはが一言、呟いた。
「将来、かー」
「どうした。藪から棒にそんなこと言って」
四時限目に将来の事について話があったからであろうか?
なのはが唐突にそんな事を言ってきた。
「さっきの時間に先生が言ってたじゃない」
アリサが横から言ってきた。やはり四時限目の話のようだ。
夜市はその時間、所詮早くとも六年も後の話だしいいかと、軽い気持ちでほとんど聞き流していたため将来のことについて話していたと言う事は聞いたが、具体的にどんな内容なのかは全く聞いていない。
知る気もないし、知らなくても問題は無いだろう。あの先生の話すこの手の話は基本的に聞いていなくとも問題は無い事はいつも通りの事だからだ。
「そんな感じのことを言っていたことは聞いていた。後のことは知らん」
「それは聞いてないって言うの!」
アリサのつっこみを軽く受け流し夜市は続ける。
「そもそもこんな歳でそんな事を考えてるのはかなり珍しいのではないのか?」
「アリサちゃんとすずかちゃんはもうだいぶ決まってるんだよね?」
なのはが聞くと二人は少しなんだ様子で答えた。
「ん~、私は家が会社経営だからいっぱい勉強してちゃんと継がなきゃ…位だけど」
この年で自分の家をを継ぐからいっぱい勉強をするなんて言葉を直に聞くことになるとは夜市は思っていなかった。その気持ちが無意識に顔に出ていたのかアリサが「何よ」と言ってきたがここで何か言ったら、またアリサが不機嫌になると長年の勘が告げていたので大人な夜市は、
「別になんもないよ。それよりすずかはどうなん?」
とすずかに話を振り話題を変える。
「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいな、と思ってるくらいだよ」
この二人は本当に九歳で小三なのだろうか?夜市の頭には本気でその疑問がよぎった。
夜市が前世で小三だったときは毎日、今日の給食とか、おやつは何だとそんな事ばっか考えていた。
同じ九歳でここまで差があるのは何故なのだろうか、自分がおかしかったのかと少しばかり本気で心配になる夜市だった。
「二人ともしっかり決まっててすごいねー」
「なのはは喫茶翠屋の二代目なんじゃないの?」
アリサがなのはは翠屋を継がないの?とでも言いそうな顔で聞いてきた。
「それも将来のヴィジョンの一つではあるんだけど、他にもやりたことがある気がするんだけど、それが何なのかはっきりししないんだよねー。私、特技も取り柄も何もないし」
特技も取り柄もない。アリサはそこに素早く反応した。
「ばかちん!」
その言葉とともになのはに向けてレモンの輪切りを投げつける。
「自分からそんなこと言うんじゃないの!」
「そうだよ、なのはちゃんにしかできない事、きっとあるよ」
「大体、あんた私より理数の成績いいじゃないの!それで取り柄がないとはどの口が言うわけ?ああ~ん?」
威圧的な口調でそう言いながらアリサはなのはの口をぐいぐい指で引っ張る。
「だ、だってなのは文系も体育も苦手だし」
口を引っ張られながらもなのはは反論する。
そこにすずかが止めに入る。
「二人ともだめだよ、ねえ、ねえってばー」
「喧嘩するほど仲がいいって事じゃないの?」
夜市は面白半分でそんな事を言い止めに入らず、見ているだけだ。
「そんなこと言ってないで夜市君も止めてよー!」
喧嘩をする二人とそれを見ているだけの夜市。
そんな中、すずかだけがあわあわと慌ていた。
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