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八条学園騒動記

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第二百九十五話 謎の三人その五


 最高の調和を醸し出していた。それを食べてだ。
 三人は一斉にだ。こう言った。
「美味しい・・・・・・」
 この言葉で充分だった。そうしてだ。
 そのお好み焼きをそれぞれ食べ合いながらだ。こう言い合うのだった。
「よくない?お好み焼きって」
「そうよね。美味しいわ」
「っていうかおソースが凄い大事みたいね」
「青海苔もこんなにいいなんて」
「小麦の生地がねえ。ベースなのがわかるわ」
「どれもバランスいいじゃない」
 食べてみてわかることだった。実際に。
 それでだ。ジュデイがこう言った。
「言うなら和風クレープよね。おかずになった」
「そうよね。手軽に食べられるけれどボリュームもあって」
「クレープの様でクレープでないけれどね」 
 クレープについては連合のどの国でもメジャーである。ただしクレープがフランスからはじまったということは誰も見ようとしない。
「ううん、こうした食べ物だったの」
「お米の御飯にも合いそうだし」
「ビールにも合わない?」
 おかずだけでなくてだ。酒の話も出た。
「炭酸系に合いそうよね」
「ビールじゃなくてもコーラとかラムネに合いそうよね」
「ええ、そうよね」
 酒でなくてもそういうものでもいいかというのだ。そしてだ。 
 ジュデイはそのお好み焼きを次々に食べながらだ。今度はこう言った。
「何か三枚か四枚は食べられる感じよね」
「ええ、けれどこれ以上食べたらね」
「ちょっとまずいわね」
 ジュリアもプリシラもだ。何しろ食べ歩くのだ。
 それならこの店で何枚も食べては駄目だった。その木造で如何にも和風だが鉄板がありその端にはソースやマヨネーズ、それに鰹節や青海苔が置かれている店を見てだ。
 それでだ。こう言い会うのだった。
「このお店では一枚だけ」
「そしてまた別のお店で食べる」
「そうしようね」
 このことは守らないといけないことだった。多く食べる為には。
 そうした話をしてだ。そのうえでだった。
 その広島風のお好み焼きを食べる。そして言うのだった。
「豚だけじゃなくて」
「他にも?」
「他のお好み焼きの具も食べてみるのね」
「豚だけだとね」
 どうかとだ。ジュデイが二人に話していた。
「飽きるでしょ」
「確かに。そうね」
「大阪風があっても」
「豚だけじゃやっぱりね」
「飽きるわね」
「お好み焼きっていうんだから」
 その名前からだ。言うジュデイだった。
「色々あるからね」
「そういえば。結構種類あるわよね」
「そうよね」
 二人はここで店の壁にある品書きを見た。そこには確かに色々と書かれていた。
「海老に烏賊に牛肉に」
「ベーコンもあるわね」
「それにトッピングもね」
「色々な種類があるわね」
「だからよ」
 その具やトッピングの多さ故にだとだ。ジュデイは言う。
「今のトッピングはチーズじゃない」
「これも美味しいけれどね」
「合うわ」
「他にもお餅もあるし焼きそばもあるし」
「そうしたのも食べてこそ」
「それでわかるっていうのね」
「そう、どうやらね」
 何かを見出した目になってだ。ジュデイは二人にさらに言う。 
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