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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第三十一話 ウエストゼネティックスその十二

「凄く近寄り難くて」
「今以上にかよ」
「そうだったんだな」
「はい。誰もが恐れていました」
「けれど今はなんだな」
「以前よりもか」
 城戸と秋山がシフォンのその話を聞きながら述べる。
「親しい感じなんだな」
「こんな感じか」
「サテライザーさんも丸くなられました」
 シフォンはこうも話す。
「ですから御安心下さい」
「まあ声は奇麗だよな」
「そうだな。透明感のある感じだな」
「そうでしょうか」
 サテライザー本人がだ。二人に応えてきた。
「私は特に。声のことは」
「いや、その声だと人気出るだろ」
「少なくとも悪い感じはしない」
「そうでしょうか」
「もっと言えば会長さんの声ってあれだよな」
「そうだな。おそらくだが」
 城戸と秋山はシフォンのことについても話す。
「多分これからも似た人出て来るな」
「サテライザー君でいいか」
「はい、どうぞ」
 秋山の問いにだ。サテライザーはそのまま答えた。
「私より年配の方の様ですし」
「そうか。ではこう呼ばせてもらうな」
「それでお願いします」
「それでだが」
 サテライザーに応えて。それからまただった。秋山は自分の向かい側の席にいるシフォンの顔を見ながらだ。彼女に対してその声のことを話していくのだった。
「会長さんと似た感じの人もだ」
「会うというのですね」
「そう思う。やがてな」
「最近俺達さ」
 どうかとだ。北岡が言って来た。
「あれなんだよ。外見は違っても中身が似ている感じのな」
「そうした方々とですか」
「会ってるんだよ。やたらとな」
「それはまた奇妙なことですね」
「サテライザー君もそうなるか」
 北岡はサテライザーも見て言った。
「いや、絶対にそんな人いるだろ」
「何故か否定できません」
 サテライザー自身もこう返す。
「私自身そんな気もします」
「だろ?並行世界を回ってると色々あるんだよ」
「ううん。何故かわかります」
 シフォンも結局頷くのだった。
「私のそっくりさんに何時か」
「だろ?何か感じるだろ」
「はい、とても」
「まあその人とは仲良くなれるからな」
「似た者同士としてですね」
「やっぱり中身って大事だよ。いや、外見がどれだけ違っててもな」  
 どうかとだ。北岡はオムレツをフォークとナイフで食べながら話していく。
「そうした相手とは仲良くなれるんだよ」
「では楽しみにしておきますね」
「そうしておきな。しかし何だな」
「そうですね」
 由良が北岡の言葉に応える。由良は和風に玉子焼きである。
「ありとあらゆる世界を回って」
「色々な人間に会うってのも」
「楽しいですね」
「とりあえずですが」
 サテライザーが言ってきた。
「私達はこれで」
「後で模擬戦闘に来て下さいね」
 シフォンがそのサテライザーに対してまた声をかける。
「今日の放課後に行いたいですから」
「わかりました。それじゃあ」
「はい、そういうことでお願いします」
 こう話をしてだった。そのうえでだ。
 サテライザーは今は一行と別れた。そうしてカズヤと共にテーブルに座りそこでハンバーガーを食べはじめる。少なくとも今の彼女は接触禁止の女王のオーラはなかった。
 その彼女を見ながらだ。シフォンはにこりと笑って述べた。
「本当に変わりましたね。あの娘も」
「はい。それもいい方向に」
 そうなったとだ。ティシーがシフォンのその言葉に応える。
「そうなりましたね」
「そうですね。あの氷の様な雰囲気が溶けて」
「強さはそのままで」
「よりよい感じになっています」
 こう言うのだった。
「あのままいけばもっとよくなりますね」
「パンドラとしてですね」
「そして女の子としても」
 双方の意味でだというのだ。
「よくなります」
「では今は」
「はい、私達はライダーの皆さんと」 
 城戸達に顔を向けて。そのうえでの言葉だった。
「親睦を深めましょう」
「はい、それでは今度はです」
 丁度ティシーの皿の上の料理がなくなっていた。それを受けて言う彼女だった。
「何を召し上がりますか?」
「お魚とボイルドベジタブルにしませんか」
「それですか」
「それと果物も」
 それもだと言うシフォンだった。
「オレンジに無花果を」
「いいですね。では取りに行きましょう」
「少しお待ち下さいね」
 ティシーとの話をしてからだった。そのうえでだ。
 城戸達にも顔を向けてだ。断りの言葉を述べた。
「席を外しますので」
「いや、俺達も丁度奇麗に食ったしさ」
「取りに行く」
 城戸と秋山が答える。
「さて、次は何食うかな」
「これだけあると選ぶのに困るな」
「もうお好きなものをどれだけでも」
「召し上がられていいので」
 シフォンとティシーはこう二人に述べる。
「確かに迷いますけれど」
「どれでもお好きなものを」
「悪いな。じゃああらためてな」
「もらう」
 二人は笑顔で応えてそのうえでそれぞれ色々なものを取って来て戻った。その二人にだ。シフォンとティシーはあらためて話すのだった。
「では模擬戦闘のメンバーはこちらで選ばさせてもらいます」
「我が学園の精鋭を選びます」
「彼女達がそのままライダーの皆さんと共に戦うパンドラとなると思います」
「そういうことで宜しくお願いします」
「わかった。ではだ」
 高見沢が笑顔で応えてだった。そのうえでだ。
 ライダー達は今は朝食を楽しんだ。そして来たるべきこの世界の戦士達の出会いのことを考えるのだった。朝の豪華な御馳走を心ゆくまで楽しみながら。


第三十一話   完


                            2012・2・19 
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