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八条学園騒動記

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第二百五十三話 ネットを通じてその三


「学校に潜伏して工作をしてるんだよ!」
「な、何だってーーーーーーーーーーーっ!」
 またしてもこの言葉であった。
「河童もか!」
「河童も工作だったのか奴等の!」
「第四帝国の陰謀だった!」
「そうだったっていうのか!」
「悪魔はいたんだ!」
 何故か悪魔になるのであった。
「それが河童なんだよ!」
「そ、そういえば河童は」
「そうだよな。前から怪しいと思っていたんだ」
 複数の人格がだ。それぞれ言う。
「どうして人間社会に溶け込んでいるんだ?」
「それで胡瓜を食うんだ?」
「甲羅があるんだ?」
 話に脈絡がない。何一つとして。
「尻子玉も抜くしな」
「危ない奴等だ」
「そういえば河童は妖怪だ」
「そうだ、妖怪だ」
「妖怪とは何だ!」
 またしてもだ。シャバキは暴論に入る。
「妖怪は正体がわからないんだよ!」
「そうだ、何者だ!?」
「妖怪とは何者なんだ!」
 こうそれぞれの人格で話していってだ。結論が出た。
「ま、まさか」
「どうしたんだ!?」
「まさか!?」
「何がわかったんだ!」
「江戸時代の文献に徳川家康が妖怪を見たという記述がある!」
 いきなりだ。話は歴史になった。
「肉人という目も鼻も口もない頭と手足だけがある存在とな!」
「肉人!?じゃあその妖怪にか」
「何か秘密があるのか」
「そうなんだな!」
「そうだ、肉人はその手で天を指し示していたんだ!」
 この記述自体は事実である。文献にしっかりと書かれてはいる。
「即ちこれは肉人が宇宙人という証だ!」
「そうか!それなら妖怪は宇宙人か!」
「そうなるんだな!」
「今で言う異なる知的生命体に!」
「妖怪はそうなんだな!」
「ああ、そうだ!」
 シャバキの人格の中でも中心になっている存在が言う。
「妖怪は宇宙人だったんだよ!」
「な、何だってえええーーーーーーーーーーーっ!」
 複数の人格が同時に叫ぶ。一つの口で。
「奴等の正体は異なる知的生命体だったのか!」
「そうだったのか!」
「何ていうことだ!」
「ならこの河童は!」
「奴等はまさに!」
「ああ、そうだ!」
 一つの口で次々に喚いていく。
「異なる知的生命体の侵略の手先だったんだよ!」
 こうだ。シャバキはシリアスな顔で叫ぶのだった。
 それを聞いてだ。シャバキのその複数の人格はさらに叫ぶのだった。
「それがわかったならだ!」
「ああ、行くか!」
「シャバキ特別探偵団出動だ!」
「行くぞ!」
「八条学園に!」
 こう隔離された病室で喚く。それをモニターで観てだ。 
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