| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百十四話 カレーと酒その一


                   カレーと酒
 皆はセーラの宮殿の中でカレーを食べ続ける。そしてだ。
 ふとだ。スターリングが言った。
「カレーを食べてるとあれだよね」
「あれって?」
「お酒は食べたくなくなるよね」
 こう言うのである。
「ちょっとね」
「そういえばそうよね」
 彼の言葉に蝉玉も頷く。
「確かに。カレーとお酒ってね」
「合わないよね」
「ええ。カレーとはどんなお酒もね」
「バーボンは無理だし」
「老酒もね」
 まずは二人のそれぞれの国の酒を話に出す。
「合わないし」
「だから紅茶とかコーヒーとかヨーグルトになるよね」
「うん、それしかないよ」
 また言うスターリングだった。
「とにかく。お酒とは絶対に合わない食べ物だからね」
「そうよね。だから今だって」
 見ればだ。実際に酒はなかった。皆カレー料理と一緒に飲んでいるのはヨーグルトや紅茶、それにコーヒーといったものだった。
 それでかなり健康的ではあった。しかしだ。
「何かないかな」
「そうよね」
 スターリングと蝉玉が話をする。
「ちょっと。お酒を飲みたいような」
「あればだけれど」
「日本酒は?」
 言ってきたのは彰子だった。
「どうかしら」
「ああ、それもね」
「合わないと思うわ」
 二人は日本酒についても駄目だというのだった。
「あの甘い感じはカレーにはね」
「どう考えても」
 こう言ってだった。さらに話すのだった。
「小式さんもカレーと日本酒一緒に食べたことある?」
「その組み合わせは」
「ないわね」
 その通りだと答える彰子だった。
「何か。カレー食べてるとどうしてもね」
「そうだよね。カレーってどうしてもね」
「お酒を寄せ付けないのよ」
「そうなるのね」
 彰子も二人に言われてそれで頷いた。
「やっぱり」
「だから。カレーにお酒はね」
「合わないわよね」
 二人はまたこう話した。
「どうしてもね」
「それだけは」
「あの味って独特だからね」
 彰子は腕を組んで首を傾げさせていた。
「確かに。日本酒は無理ね」
「テキーラは?」
 今度はマルコが出て来て話す。
「そっちはどうかな」
「無理だと思うよ」
「テキーラもちょっとね」
 スターリングと蝉玉はマルコに対しても答えた。
「実際マルコもカレー食べててテキーラ飲みたい?」
「それはどうなの?」
「あまり。というか全然」
 マルコの返答もだ。彰子のそれと同じだった。
「思ったことないし」
「そうだよね。だからね」
「どうしてもね」
 二人はまた話した。そうしてであった。
 カレーについては二人だけではなかった。皆大体合わないという。そしてだ。セーラもカレーと酒についてはこう言うのだった。
「一緒にお腹の中に入れたことはありません」
「はい、私もです」
「私も」
 ラメダスとベッキーもそうだという。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧