対決!!天本博士対クラウン
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第五百八話
第五百八話 六人で
梨花はだ。ここでこう言ったのだった。
「やるのならね」
「やるのならって?」
「アレンジすることについて?」
「そう。赤音ちゃんだけじゃなくてね」
こう他のメンバーを見ての言葉だった。
「皆でしよう。六人でね」
「私だけじゃないのね」
赤音は首を少し捻ってから梨花に返した。
「アレンジは」
「考えてみればあれじゃない」
美樹はこうその赤音に話した。
「赤音ちゃん、言ったら悪いけれど」
「クラシックについてはっていうのね」
「あまり知らないわよね」
「音楽の授業では習ったけれど」
赤音は音楽の成績はいい。おっちょこちょいであるがそれでも学校の勉強はそこそこ出来る方なのだ。音楽についても。
「けれどね」
「アレンジっていうとね」
「かなりのものよね」
「多分赤音ちゃんじゃできないわよ」
美樹は赤音に言った。
「ちょっとね」
「そうね。言われてみれば」
「だから。私としてはね」
どうかとだ。美樹は梨花に顔を向けて言った。
「梨花ちゃんが正しいと思うわ」
「それでなのね」
「うん。クラシックっていったら美奈子ちゃんだけれど」
美樹は今度は美奈子を見た。伊達にフルートのコンクールで常に入賞している訳ではない。華奈子のサックスも見事だが彼女のフルートも絶品なのだ。
それでだ。美樹は今度は美奈子を見て言ったのである。
「美奈子ちゃんでもアレンジになるとね」
「一応出来ると思うけれど」
「それでも難しいでしょ」
「ええ」
正直にだ。美奈子も答える。
「それはね」
「だからね。ここは無理しないでね」
「そう。皆でやりましょう」
また言う梨花だった。
「そうしましょう」
「皆でやるのが一番なのね」
赤音は考える顔になって述べた。
「つまりは」
「無理はしないで皆でやれば」
どうかとだ。また言う梨花だった。
こうした話をしてそのうえでだった。クラウンは六人でモーツァルトの音楽をアレンジすることになった。やはり彼女達はグループだった。
第五百八話 完
2012・7・20
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