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対決!!天本博士対クラウン

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第四百十二話


                第四百十二話  豆腐の代わりに
 華奈子の耳にもだ。ライゾウが豆腐について興味を持っていたことが入った。それで、であった。
 美奈子にだ。このことを相談したのである。
「やっぱり猫にお豆腐は駄目よね」
「身体の構造が違うからね」
「食べてもなのね」
「そう。猫は肉食動物だから」
 犬もそうである。猫にしろ犬にしてもだからなのだ。穀物や野菜を食べても人間の様にはいかないところがあるのだ。動物によって食べ物は様々なのだ。
 そのことを話してだ。美奈子はだ。
 少し考える顔になってだ。こう華奈子に話した。
「けれど。御飯と一緒なら」
「いいかしら」
「ほら、よくタロやライゾウにお味噌汁かけた御飯出すじゃない」
 ドッグフードやキャットフードの他にもそうしたものを食べている彼等なのだ。
「そこにお豆腐が入ったりするじゃない」
「そういえばそうね。お味噌汁の具のね」
「葱や烏賊は絶対に駄目だけれど」
 葱は犬にとって、烏賊は猫にとってはよくないのだ。中毒になったり腰が抜けてしまったりするのである。
 華奈子達もそうしたものは元々食べさせていない。しかし味噌汁の具としての豆腐はというと。
「思えば普通に」
「前から出してるから」
「問題ないわね」
「御飯と一緒ならね」
 ここで鍵となるのは御飯だった。これがメインになるのだ。
 その御飯をメインに考えながら。美奈子はさらに話す。
「リゾットとかおじやみたいにしてね」
「出せばいいわね」
「そう。あれならカロリーも少なくできるし」
 下手に肉を食べさせるよりもだ。そうなるというのだ。
「だからいいと思うわ」
「そうね。じゃあそれでね」
「いく?どうするの?」
「いくわ」
 華奈子はすぐに決断した。やはり決断力は確かだ。
 そのうえでだ。すぐにだった。
 タロとライゾウ、両方の晩御飯にだ。
 御飯の上に豆腐と若布の味噌汁を出した。そうして二匹に食べさせるのだった。
「はい、食べてね」
「ああ、豆腐はこうしたらか」
「僕達も食べられるんだね」
「話は聞いたわ。だから食べてみて」
 こう言ってだった。二匹、とりわけライゾウに豆腐を食べさせる。そうしてから尋ねた。
「それで味はどう?」
「あれっ、前に何度も食ったような」
「そうした味だけれど」
「だって。お豆腐のお味噌汁なら何度も御飯にかけて出してるから」
 だからだとだ。華奈子は種明かしをする。
「そういうことなのよ」
「ああ、それでか」
「食べ慣れた味なんだ」
 こうして食べてみるとだ。実は二匹は既に豆腐を知っていて食べていた。このことがわかったのだった。


第四百十二話   完


                2011・8・9 
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