対決!!天本博士対クラウン
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第三百二話
第三百二話 焦る六人
「ねえ」
「ええ」
梨花が美樹の言葉に頷いていた。
「そうよね、今はこうしていてもね」
「どうにもならないと思うけれど」
「私もそう思うけれど」
「けれど先生達がいいっていうし」
「そうよね」
二人も困っていた。そして春奈と赤音もであった。
「このままだと博士はもっととんでもないことするかも」
「あの博士だしね」
「そうよね。何かしないと考える方が」
「無理があるし」
そしてこんなことも言い合った。
「今すぐに動かないとね」
「まずいよね」
春奈と赤音も不安に思っていた。そうしてであった。
華奈子と美奈子もお茶を飲みながらだ。お菓子も食べているがやはりどうしても不安を拭い去ることはできなかった。どうしてもであった。
「今こうしている間にもね」
「博士は材料を手に入れているわね」
「どうせ今もヤクザ屋さんとか暴走族とか街の不良とか殺してよ」
華奈子は美奈子に対して話す。
「それで材料手に入れてね」
「生首と身体がまた手に入るわね」
「まあねえ」
ここで華奈子はこんなことも言った。
「ヤクザ屋さんとかを掃除してくれてるって考えることもできるわね」
「まあそうね」
美奈子もこのことには同意して頷いた。
「それはね」
「それはいいけれど」
「犯罪者がいなくなるのはいいことよ」
華奈子も美奈子も犯罪者に対する意識はこうしたものだ。
「それでも。殺された被害者の首とか身体が襲い掛かって来るのはね」
「それが問題だから」
華奈子はまた難しい顔で話した。
「すぐにでも行きたいけれど」
「先生達は動かれないし」
「困ったわね」
美奈子は言いながらまた紅茶を飲む。
「このまま過ごしていいのかしら」
「お茶もお菓子も美味しいけれどね」
それはいいとしてもだった。
「けれどそれでも」
「こうしていていいのかしら」
華奈子はここでライゾウとタロを見た。しかし二匹も他の使い魔達もだった。
全然焦っている様子はない。至って落ち着いて寝転がってさえいる。
「何か平和ね」
「そうね」
華奈子も美奈子もこれはわからなかった。何故か彼等はくつろいでいた。
第三百二話 完
2010・6・29
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