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対決!!天本博士対クラウン

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第二百九十四話


                 第二百九十四話  処刑シーン
 ノコギリが一閃した。そうして。
 サングラスの若い男の首が吹き飛んだ。
「まずは一人」
「そうだな」
 タロとライゾウはその鮮血を撒き散らしながら吹き飛ぶ首を見て述べた。
「さて、それで」
「後は」
 すぐにもう一人だった。リング型のノコギリの上に断末魔の顔があった。
 それを手を払って吹き飛ばしてだ。返す刀でもう一人だった。
 小田切君はそれを見てだ。冷静に言った。
「凄く簡単に切れるんだね」
「首ってそんなに簡単に切れないよね」
「普通はそうだよな」
 それぞれテレビのその処刑を観ながら話す。
「博士のマシンってどれも簡単に切るけれどね」
「実際は違うからな」
「あの刃は何でできてるんだろ」
 小田切君はこのことも考えるのだった。
「一体全体何で」
「何か凄い特殊合金みたいだけれどね」
「何だろうな」
「ちょっとわからないよね」
 こうタロとライゾウに言うのであった。
「ここから見ただけじゃ」
「何かダイアモンドの二十倍の硬さとかじゃないかな」
「切れ味も尋常じゃなくしてな」
「何処をどうやったらそんなものができるんだろう」
 小田切君もそこが不思議なのだった。
「博士って普通にやってたら凄い天才なんだけれど」
「まあそうだよね」
「あれで人間性がまともだったらな」
 それは彼等もよくわかっていた。
「今頃人類にとってね」
「かなりの貢献をした筈だからな」
「それがこれだからね」
 小田切君と二匹も呆れるものがあった。
「また首が一つ飛んだし」
「派手に殺してるな」
「もう十人か」
 小田切君はメモ用紙に正の字を書いてそれをカウントにしていた。
「ペースが速いね」
「ああ、確かにね」
「これじゃあすぐに終わるな」
 こんな話をしているうちにまた一人殺していた。
 そして一時間後だ。事務所の中は首のない死体で満ちていた。
 逃げた者はというとだ。一人もいなかった。
 何と既に他の首切りマシンが稼動していてだ。事務所を囲んでいたのだ。
 それでだ。逃げられた者は一人もいなかったのだ。
「終わったか」
 小田切君がカウントしている数は三十人であった。それだけ死んだのである。


第二百九十四話   完


               2010・5・31 
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