| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

対決!!天本博士対クラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十話


            第二百六十話  アスレチックの後で
 学校の鉄棒やジャングルジムが並んでいる。砂場もあればプールもある。校舎も高い。二匹から見ればそこも立派な修行の場であった。
 二匹はお互いに顔を向け合いそのうえでだ。
「じゃあ今度は」
「ここだな」
 こう言い合いだった。すぐに駆け出す。
 まずは鉄棒の上をそのまま駆けジャングルジムも登り棒の上も駆けてだ。シーソーの上を跳ねて素早くグラウンドを一周してそのうえでプールに入りバタフライの如く泳ぎ校舎の上を駆け巡りだった。凄まじいまでの速さで誰にも知られることなく駆け巡ったのだった。
 そのうえで家に帰りだった。二匹は風呂に入った。
 ちゃんとその前足でシャワーを出して湯を浴びてシャンプーで身体を洗う。そのうえで自分達で身体を拭いてドライアーも使う。風呂から出た時はすっきりとなっていた。
「これにて」
「今日の修業は終わりだよな」
 二匹は風呂から出て居間でくつろぎながら話をしている。
 ミルクを出して飲みながらだ。そのうえで話をしていた。
「それで明日は」
「何をするかだよな」
「ランニングもやるとして」
「その他には何をすればいいんだろうな」
 こんな話をしているとだった。ここで華奈子が帰って来た。彼女は二匹が居間でくつろいでいるのを見てすぐにこう言ってきたのである。
「あんた達何してるの?」
「ああ、御主人」
「お帰り」
 その彼女に顔を向けて挨拶もした。
「今帰ったんだ」
「何が面白いことあった?」
「別に。って言いたいけれど」
 その二匹のところに来て言ってきたのである。
「あんた達今暇?」
「ちょっとくつろいでるだけだけれど」
「こうしてシャワーも浴びた後で」
「そうなの。ちょっと見てくれるかしら」
 何やら思うところのある顔での言葉であった。
「ちょっとでいいから」
「ちょっとでいいって」
「魔法の勉強でもするのかよ」
「そうよ」
 まさにそうだというのである。
「ちょっとね。考えてるのよ」
「新しい魔法かな」
「それなのかよ」
「そうよ、美奈子も多分そうだけれど」
 双子のそのパートナーである。やはりこの二人の絆は切っても切れないものがある。それはもう生まれた時からのものである。
「あたしもね。考えてね」
「じゃあさ。付き合うから」
「そうさ。見るだけだったらな」
 こう言って主の魔法にも付き合うのだった。二匹にとってはこれもまたいい修業になるのだった。まさに暮らしの中に修業ありであった。


第二百六十話   完


                 2010・2・2 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧