対決!!天本博士対クラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百五十四話
第二百五十四話 ライゾウとタロも
「まあ終わってよ」
「一件落着だね」
ライゾウとタロもである。実に穏やかな顔でいた。二匹は華奈子の足元で早速緊張を解いている。もう何もないとわかっているからである。
「兄貴達も今時ほっとしてるだろうな」
「そうだね。またさ」
「また?」
「弟と話がしたいな」
ライゾウの兄とタロの弟が博士のところにいるあの二匹なのである。博士が気紛れで喋れるようにしてそれから研究所にいるのである。
「またね」
「ああ、そうだよな」
ライゾウもタロのその言葉に頷いた。
「それもな」
「君もそう思うかい?」
「何だかんだ言って兄貴だしな」
だからだというのである。
「いやさ、おいらの兄弟ってな」
「うん。どうしてるの?」
「全員いい御主人に貰われて幸せになってるんだよ」
そうだというのである。
「旦那のところもかい?」
「そうだよ。けれどあいつはね」
「おかしなところにいるよな」
「君のお兄さんもね」
「兄貴は兄貴で楽しくやってるみたいだけれどな」
ライゾウは自分の兄についてはこう言う。実際に向こうのライゾウは彼は彼で楽しくやっているのである。その辺りはやはり兄弟である。
「まあだからいいんだけれどな」
「そうなの。いいの」
「いいさ。じゃあ旦那」
「うん」
「お茶に行こうぜ」
先生達が言うそのお茶会である。
「今からな。それでいいよな」
「御主人様と一緒だしね」
「おいら達も何か貰えるしな」
早速いつものちゃっかりしたところを出して楽しそうに笑うライゾウだった。
「それじゃあな」
「うん、それじゃあね」
「行こうか」
「うん、先生のお家にね」
こう話してそのうえで彼等も向かう。戦いは終わり彼等も安息の時を迎えるのだった。
その道中だった。ライゾウは華奈子の箒のところにいた。そこにタロと一緒にいるのだ。そこで浮かんでいる。使い魔だからその程度の魔術は使えるのである。
そこからタロに話してきた。
「なあ旦那」
「どうしたんだい、今度は」
「いや、おいら達もな」
「うん」
「修業しないか?」
こんなことを言ってきたのである。これがまた一つの話のはじまりだった。
第二百五十四話 完
2010・1・11
ページ上へ戻る