対決!!天本博士対クラウン
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第二百二十六話
第二百二十六話 相変わらずの先生達
六人と博士が研究所で激突しようとしていたその頃。今田先生と今日子先生はいつもの様に二人でのこやかにお茶を楽しんでいた。
「今日はローズティーなのね」
「そうよ」
イギリス風の緑と紅の洒落た庭で白いテーブルを挟んで二人仲良くお茶とお茶菓子を楽しんでいる。ここは今日子先生の家である。
「それとパイだけれど」
「チェリーパイなのね」
「どうかしら」
今田先生が従姉妹に尋ねる。
「今日子ちゃんこれ好きだったわよね」
「ええ、大好きよ」
にこりと笑って従姉妹に答える今日子先生だった。
「それは昔からじゃない」
「ふふふ、そうだったわね」
「パイもケーキもタルトも」
今日子先生は洋菓子を次々と挙げていく。それは確かに美味そうなものばかりである。
「昔からね」
「子供の頃からよね」
「香ちゃんもそうじゃない」
それは今田先生もだというのだ。
「お菓子。大好きじゃない」
「そうよ。作るのも食べるのもね」
「私もよ。私は」
言いながら今日子先生が出してきたものは。これまた実にお茶菓子に合ったお菓子であった。
「これね」
「クレープね」
「そうよ。台所で焼いてね」
「それでここに持って来てくれたの」
「どうかしら、このクレープ」
あらためて今田先生に尋ねてみせてきた。
「美味しいかしら」
「ええ、とてもね」
食べてみて幸福そのものの笑みを浮かべて答える今田先生だった。
「流石よ、今日子ちゃん」
「そう、ならいいわ」
「そうね」
そしてここで今田先生は言うのだった。
「あの娘達にも食べさせてあげたいわね」
「香ちゃんの生徒さん達ね」
「そうよ。そうね、時間は」
目を少し考えさせるものにしてからの言葉であった。
「このお茶が終わった辺りかしらね」
「そうね。その時間かしらね」
先生達の話が微妙に変わってきていた。
「その時間にね」
「あの娘達にね」
「そうしましょう」
「そういうことで」
「今はゆっくりと」
のどかな中にも何かがある、それを思わせる今の先生達の会話であった。
第二百二十六話 完
2009・10・5
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