対決!!天本博士対クラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二百十五話
第二百十五話 情報を得て
とりあえず博士の研究所に己の影を向かわせた華奈子達。そのうえで皆で話をするのだった。
「どう思うかしら」
「そうね」
まずは華奈子が美奈子の言葉に応える。
「あまり情報は手に入らなかったけれど」
「研究所の中のはね」
「それがねえ」
華奈子はそのことを残念がっていた。
「ちょっと。あれだけれどよ」
「けれどそれは仕方ないじゃない」
「そうよ」
その華奈子に赤音と梨花が言ってきたのだった。
「それでもそのあまりでも手に入っただけでもね」
「いいと思うわ」
「そういうものかしら」
だが華奈子はそう言われても今一つ実感がないようであった。首を傾げてさえいる。
「だったらいいけれど」
「零より一よ」
「そういうことよ」
その彼女に今度は春奈と美樹が告げてきた。
「だから少しだけでも手に入っただけで」
「それに研究所の周りは大体わかったじゃない」
「それはね」
美樹の今の言葉には素直に頷くことのできた華奈子だった。
「その通りだけれど」
「そういうことよ」
「だからいいじゃない」
今度は四人に言われた。彼女達に言われると確かにその通りだとも思うのだった。
「そういうものなのね」
「はい、華奈子」
ここで隣にいた美奈子が彼女にラムネを出してきたのだった。
「とりあえずはこれ飲んで落ち着きましょう」
「あっ、ラムネね」
「そうよ。ラムネよ」
それだというのである。見ればそれは確かにラムネである。
「これ飲んで少し落ち着きましょう」
「別に落ち着いてるけれど」
「それでも飲んで」
どちらにしろ飲んでくれというのである。
「それでいいわね」
「わかったわ。それじゃあ」
言われてそのラムネを美奈子から受け取る。そのうえで飲みはじめるのだった。
「それでだけれど」
「ええ」
そのうえで再び双子の相方に話してきた美奈子だった。今皆は華奈子と美奈子の家の二人の部屋に集まって。そのうえで絨毯の上でそれぞれ車座になりながら話をしているのである。
その中で美奈子はまた華奈子に言っているのだった。
「研究所の周りはわかったわ」
「それね」
「そう。それよ」
「それって」
まさにそれだと言う美奈子だった。華奈子はその言葉の意味がまだよくわからない。そのうえで彼女の話を聞き続けるのであった。
第二百十五話 完
2009・8・30
ページ上へ戻る