対決!!天本博士対クラウン
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第百六十話
第百六十話 銀河の中心で
「それでじゃ」
「ああ、その銀河の中心での戦いだよね」
「日本軍との」
「うむ」
相変わらず腕を組んだまま話す博士だった。白いタキシードにマントと言う異様そのものの格好がここではまた実に絵になっていた。
「それでじゃ」
「で、どういう戦いだったの?」
「まあ凄かったのはわかるけれど」
「日本軍は宇宙空間でも生身で戦えた」
いきなりこれである。ほぼ何処かの戦闘民族だ。
「そして宇宙怪獣を素手で倒し」
「素手で・・・・・・」
「しかも宇宙空間で」
戦闘においても非常識な日本軍であった。
「そして蹴りを飛ばせばそれで無数の宇宙怪獣を倒していったのじゃ」
「って何処の巨大ロボットなんだよ」
「そんなに強かったんだ、日本軍って」
「百億の宇宙怪獣は瞬く間にその数を減らしていった」
博士はその時のことを思い出しつつ語り続ける。
「そしてわしはさらに百億出した」
「また百億なんだ」
「しかも地球の人口より遥かに多いし」
「その百億も瞬く間にやられてしまった」
合計二百億が瞬く間にである。
「本当にあっという間にのう」
「で、博士はどうしたんだよ」
「その二百億の宇宙怪獣が倒されてから」
どうやらそれからが本番であったらしい。二匹は話を聞いて本能的に悟った。
「うむ。日本軍はわしを包囲した」
「包囲!?」
「ということは」
二匹はここであることに気付いた。それは。
「博士も宇宙空間にいたんだ」
「だとすると」
「左様」
やはり平然と答える博士であった。
「実はわしは宇宙空間でも生きていけるのじゃよ」
「何処まで人間離れしているんだか」
「そもそも何歳なんだろ、この人って」
「そしてわしに一斉に襲い掛かり」
いよいよ本番であった。
「わしはこの一億ボルトの電気鞭を取り出し」
実際にその乗馬鞭に似た鞭を取り出してきた。
「これを半径百キロまで伸ばし振り回しつつ彼等と戦ったのよ」
「その鞭ってそんなに伸びたんだ」
「何かもうスーパー宝貝みたいだね」
「足掛け数年。そう、昭和十六年から二十年まで戦いお互い一休みしたところで」
「終戦だったんだね」
「それで」
「空しい終わりじゃった」
要するに博士との戦いに超人軍団を送り込みその結果地球での戦争に敗れた日本軍なのだった。これがよかったのか悪かったのかは誰にもわからないことであった。
第百六十話 完
2008・12・27
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