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対決!!天本博士対クラウン

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第百四十二話


                第百四十二話  ヘルズレイン
「雨だ!」
「雨が降ったぞ!」
 遂にその国に雨が降った。
「恵みの雨だ!」
「将軍様の雨だ!」
 こう喜んでいた。ところが急に。
「うっ、うわあああああっ!!」
「何だこれは!」
 人民達が急に苦しみだした。
 肌が焼け髪が溶ける。大地は燃え上がり川は干上がる。有機王水どころではなかった。
「な、何だありゃ」
「あの雨普通じゃねえだろ」
 その国以外でも早速ネット等で議論になりだした。
「凶悪な酸性雨みたいだな」
「そうみたいだけれどそんなレベルじゃねえぞ」
「有機王水・・・・・・じゃねえよな」
「何だありゃ」
「あれっ!?」
 それを見て小田切君も首を傾げるのだった。
「何かおかしいな」
「おかしいなんてものじゃねえぞ」
「これはもう有り得ないよ」
 ライゾウ兄とタロ弟も同じものを見て言った。
「有機王水じゃなくてな、あれって」
「もっと遥かに悪質な酸性の液体みたいだよ」
「そうみたいだね。だとすると」
 謎はそこにあった。
「何なのかな、本当に」
「ちょっと調べてみるよ」
 小田切君は冷静に二匹に対して述べた。
「これはね。ちょっとね」
「いや、ちょっとどころじゃねえから」
「この雨は幾ら何でも」
「そうだよね。おかしい」
 また言う小田切君だった。
「あの博士だからね」
 しかし問題点ははっきりとわかっていた。
「どうせ碌でもないものだけれど」
「仮定は入れないんだな」
「そこで」
「入れられる?じゃあ」
 そもそもそのこと自体が不可能なのだった。
「博士がすることだよ」
「予想を遥かに超えるからなあ、いつもいつも」
「全く。今回も最初は有機王水だって言っていたのに」
 あくまで最初である。最初だけだ。
「何なんだろう、本当に」
「知りたいけれどね、どうも」
「本当に何なのかな」
 その謎は何なのかはわからない。しかしとんでもないことであることだけは確かであった。


第百四十二話   完


                  2008・10・26 
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