対決!!天本博士対クラウン
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第百三十五話
第百三十五話 光の壁
「赤音ちゃんもね」
「私もなの」
美奈子の指摘は赤音にも及んでいた。
「光の数も威力もかなりあがったじゃない」
「そうかしら」
「試しに一回魔法使ってみて」
こう彼女にも言う。
「一回。ほらっ」
「あっ」
実際に使ってみる。するとこれまでよりも遥かに多い数の光が放たれる。それにその動きもそれぞれかなりトリッキーなものになっている。
「今までは一つの動きしかなかったじゃない」
「一つの動き?」
「ほら、魔法を放ってもね」
また言う美奈子であった。
「バウンドするのならバウンドするだけ、飛ぶのなら飛ぶだけだったじゃない」
「ええ」
「それが今ではこれよ」
今では、とまで言う。
「光によってまっすぐ飛んだりあちこちバウンドしたり。ぐねぐね曲がったり上下したりよね」
「そういえば」
「それよ。威力だってね」
木の枝を投げるとそれが消え去ってしまった。赤音の光を受けるとすぐに。
「今までよりずっと強くなってるわよね」
「ううん、今まで自覚していなかったけれど」
赤音はここで首を捻った。
「そうなの」
「そうよ。それだからね」
「攻撃にも影響するのかしら」
「するわ」
はっきりと赤音に対して告げる美奈子だった。
「これもまた大きな力になるわよ」
「そうよね。それじゃあ」
「使えば使う程さらに凄くなるわよ」
またこのことを話す美奈子である。
「もっとね」
「そう。それじゃあ」
「華奈子と春奈ちゃんも同じだから」
「あたし達もなのね」
「まずは一人一人よ」
「一人一人」
「ほらっ」
赤音が再び魔法を使ったところでまた声をかける。
「今度はもっと光の量が増えたわね」
「本当、何か」
「あたしも」
華奈子もであった。そして春奈のシャボンも数がさらに増えていた。
魔法は使えば使う程度その威力が高まっていく。そのことを確かめつつさらに魔法を使っていくのだった。
「光もどんどんその輝きが増していくのね」
「そういうことよ」
あらためて自分の魔法のことを認識した赤音であった。
第百三十五話 完
2008・9・30
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