ヘタリア大帝国
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TURN54 ハワイの酋長その七
「そこからケベック、アラスカも攻略し」
「それからニダな」
「ゲイツランドも攻略する」
ガメリカ本土のこの星域もだというのだ。
「そしてゲイツランド、ハワイの二方向からだ」
「USJを攻めるニダな」
「そのつもりだ。一方向から攻めるよりもな」
戦力が許せば二方向から攻めればいいというのだ。
「だからそうする。どうだ」
「異論はねえぜ」
田中がまず答えた。
「それでな。じゃあ今回も派手に行くか」
「そうする。無論潜水艦艦隊も全て出撃だ」
「ああ、わかったぜ」
「カナダにはハルゼー提督がいたな」
東郷が彼女の名前を出すとキャシーが言ってきた。
「強いよ、あいつは」
「ガメリカ軍の艦載機運営の専門家だったな」
「占いも得意だけれどね」
「何でもそうした種族の血を引いているそうだな」
「耳見ればわかるだろ。あいつはな」
「そうした人か」
「そうだ。結構直感もあるんだよ」
キャシーは常に彼女といただけによく知っていた。
「空母使わせたら右に出る奴はいないよ」
「そうか、わかった」
「まあやり方はあるだろうけれどね」
「なくて攻めはしない」
東郷はあっさりとキャシーに返した。
「策は既にある」
「そうかい。じゃあ安心して攻められるんだね」
「そして勝てる」
東郷はこうも言う。
「今回もな」
「そうかい。それじゃあね」
「全軍カナダに入る」
東郷はあらためて言った。
「そうしよう」
「よし、それじゃあ今度も」
「やるか」
こうして太平洋軍はハワイからカナダに進むことになった。そのカナダではドロシーがカナダ兄妹と話をしていた。
「貴方達は確か」
「だからカナダだよ」
「妹です」
影の薄い二人はドロシーにも忘れられていた。
「何で覚えてくれないのかな、誰も」
「そうよね。私達だって連合国なのに」
「人は忘れるものだから」
無慈悲なまでにクールなドロシーの言葉である。
「だから仕方ないわ」
「いや、仕方なくはないから」
「それはね」
「けれど。二人共」
カナダだけではなく妹もだと言うドロシーだった。
「祖国さんと比べると本当に」
「目立たないっていうんだね」
「存在感がないって」
「というか連合国ね」
「っていつも会議に参加してるけれど」
「それでも気付かないのね」
「祖国さんとはいつもお話をしてるわ」
ドロシーはあくまでアメリカを見ている。しかしカナダはだというのだ。
「それで済むから」
「うう、どうしたら目立てる様になるのかな」
「多分無理」
ドロシーの言葉には微塵の容赦もない。
「諦めるべき。けれど目立たないから」
「僕のところに作ったんだね」
「この研究所のことは私と祖国さんと」
「僕達だけが知ってることだよね」
「祖国さんはいいとは思っていないけれど」
アメリカは反対しているというのだ。
「けれどいざという時は」
「僕も止めた方がいいと思うよ」
カナダはドロシーに親身に注意をした。
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