万華鏡
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第六話 ゴールデンウィークその十四
「料理っていうのは」
「そして身体にいいものなのね」
「インスタントラーメンでもな」
俗に身体によくないとされているそれもだというのだ。
「あれも野菜をたっぷりと入れればな」
「身体によくなるのね」
「安売りの野菜をたっぷりと入れてな」
美優は具体的に話す。インスタントラーメンを栄養よく食べる方法についても。
「それで食べればいいんだよ。人参なり葱なり玉葱なりもう鍋みたいにどっさりと入れてさ」
「それ結構美味しそうね」
「しかも実際に美味いんだよ」
景子にもこう言う。
「野菜も入れたらな」
「そうなのね」
「彩夏ちゃんもやってみろよ。美味しいし身体にもいいからさ」
「うん、じゃあ今度インスタントラーメン食べる時にね」
「お勧めは塩ラーメンとか好きやねんとかな」
具体的なインスタントラーメンの種類の話にもなる。
「うまかっちゃんもいいな。味噌ラーメンもな」
「結構いける種類多いのね」
「チキンラーメンは難しいけれどな。カップ麺も」
「あっ、鍋に入れて茹でないから」
「そう。鍋じゃないとな」
美優は麺と一緒に茹でる方法を念頭に置いていた。
「まあ炒めたのを上に置いてもいいけれどさ」
「そのやり方もあるのね」
「まあとにかく何でも安くて美味くて栄養がある」
またこの三拍子だった。
「この三つが揃ってないと料理って駄目だよ」
「それでなのね」
「ちょっと考えておくな。それじゃあな」
「うん、楽しみにしとくね」
彩夏は美優にも微笑んで返した。こうしてだった。
まずは琴乃が作るものを考える。やはりそれはだった。
「ティーセットだけれど」
「お泊り会に作るのはそれにするのね」
「ええ、そのつもりだけれど」
そうだとだ。琴乃は自分の家のキッチンの横のテーブルに座って紅茶を飲みながら一緒に飲む母に対して話した。
「それね。飲むのはね」
「紅茶よね」
「それにワインにしようかなって思ってるけれど」
「お酒もなの」
「うん、それもね」
出そうと考えているというのだ。
「色々考えたけれど」
「ワインは何にするの?」
「ううんと、そうね」
今のお茶菓子はエクレアだ。そのエクレアを食べながら言ったのである。
「赤かしら」
「赤にするのね」
「お菓子と合うのってそっちの気がするから」
エクレアを食べてワインの味を思い出しながらの言葉だ。
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