仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第二十二話 集結乙女その三
考える顔になりだ。そして言うのであった。
「間違いありませんわね」
「何はともあれですね」
「ええ。仮面ライダーの方々と御会いしてですわね」
「話はそれからですね」
こうした話をしているとだ。ここでだ。
また二人来た。それはというと。
白く荒々しく伸ばした髪に赤い水着を思わせる具足に黄色の陣羽織と額の部分を覆う兜を着けた猛々しい顔の女がいた。頬に傷があり目の色は黄色だ。甲斐の主にして天下随一の猛将である武田シンゲンだ。その口元には不敵な笑みがありそれが一層彼女の猛々しさを誇示している。
もう一人は黒と藍色の具足と袴を着けた鳶色の目の少女だ。傍らにいる白髪の女とは雰囲気がまるで違い思慮深い印象を受ける。目はしっかりとしていて眉は細く長い。髪は後ろを伸ばし額を開けてだ。額の鉢巻には毘の文字がある。武田シンゲンの好敵手、越後の主上杉ケンシンである。
二人がそれぞれ部屋の中に入りだ。ヨシモトとイエヤスに対して言ったのである。
「おう、久しいな」
「二人共元気そうね」
「ええ、お陰様で」
ヨシモトがだ。気品のある笑みで二人に応えた。
「御二人も相変わらず御元気そうですね」
「ああ、見ての通りだ」
「いつも通り楽しくやっている」
二人も明るくヨシモトに返す。
「それはそうとだ。また別の世界からか」
「人が来たそうね」
「はい。まずはですね」
イエヤスが立ったままの二人に話す。彼女とヨシモトは座っているのだ。
「お座りになられた方が」
「そうだな。それではな」
「まずはそうしてね」
二人もイエヤスの言葉を受けてだ。そうしてだ。
それぞれヨシモト達の前に座る。そのうえでだ。
シンゲンはだ。イエヤスに対して問うた。
「仮面ライダーとは何だ?」
「私も文に書いてあること以上は」
「知らないか」
「はい、すいません」
「ヨシモトは知らないのかしら」
ケンシンはヨシモトに対して尋ねた。
「貴女の蔵書の物語の中にいるのかしら」
「いえ、いませんわ」
ヨシモトもだ。知らないというのだった。
「私にしても残念に思っていますわ」
「そうなのね。ヨシモトもなの」
「とにかく全く謎の連中なんだな」
シンゲンが彼等に出した結論は今のところそれだった。
「とりあえずスサノオっていうのが強いのはわかるがな」
「邪神ね」
シンゲンとケンシンへの文にもスサノオについて書かれていたのだ。
それでだ。彼女達は話すのだった、
「そのスサノオと思う存分戦うのはな」
「かなり面白そうね」
「今から腕が鳴るぞ」
「うむ、私もだ」
二人は顔を見合わせて話す。その二人を見て。
ヨシモトはだ。微笑んでイエヤスに話した。
「あの娘達も変わらないわね」
「はい、本当に」
「イエヤスちゃんは変わったけれど」
何故かここで彼女に話を振るのだった。
「可愛くなったわ。さらにね」
「あの、私がですか」
「そうよ。可愛くなったわ」
こう言うのだった。
「さらにね」
「私はそれは」
「私は嘘は言いませんわ」
それは誇りが許さなかった。名門今川家の主としての誇りがだ。
「ですから。イエヤスちゃんは可愛いですわ」
「それで私は今度は一体」
「私今女の子二人の旅芸人のお話を書いていますの」
「ええと。王炉螺夢物語ですか」
「そう。主役の一人がイエヤスちゃんですの」
「歌に踊りにお笑いですね」
「蹴鞠もしますわ」
それもあるというのだ。
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