髑髏天使
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第四十五話 新生その九
「お好み焼きもじゃ」
「身体にいいのか」
「いいぞ」
まさにそうだと返した。
「色々なものが入っておるな」
「何でも入れられる」
牧村もそれに応えて話す。
「だからお好み焼きだからな」
「例えば烏賊に海老に貝じゃ」
博士が自分のお好み焼きに入れてもらって食べているその具だ。
「どれも身体にいい」
「ああ」
「そうしたものをたっぷり食べるのじゃ」
「身体にいいものをたっぷりか」
「しかもバランスよくじゃ」
言葉は少し付け加えられた。
「食べるのじゃよ」
「基本だな」
「基本が大事じゃ」
こう返す博士だった。
「それこそがだ」
「基本か」
「君にしろそうじゃよ」
牧村を見て問い返す。
「違うか」
「その通りだ」
「髑髏天使として。基本がなければ」
「死ぬ」
返答は短かったがその通りだった。
「それでだ」
「そうじゃな。健康も同じじゃ」
「基本か」
「それをしていなければじゃ」
「長生きはできないか」
「簡単なことでも続けるのじゃよ」
何処か説教めいていたがそれでも話す博士だった。
「さすればじゃ」
「健康になる」
「左様」
まさにその通りだという。
「百歳まで生きられるのじゃ」
「俺もか」
「うむ。癌とかもな」
「それが怖いな」
「何とかなるのじゃ」
「なるか」
「色々と難しい病気じゃがな」
博士もそれは否定しなかった。
「癌で死ぬ者は多い」
「それは否定しないか」
「それも注意すればじゃ」
「何とかなるか」
「注意しても駄目な時はある」
こうも言いはした。
「しかしそれでもじゃ」
「注意すれば違うか」
「うむ、違う」6
博士はこう話す。
「癌はとにかく注意じゃな」
「博士の家系は癌はないか」
「今のところはない」
そうだというのだった。
「白血病もな」
「それもか」
「白血病は血液の癌じゃ」
よく言われることだ。それで非常に恐れられている病気でもある。
「他には外国に行った時には」
「その時は伝染病か」
「エボラやデング熱だけではないからな」
「まだ天然痘やペストもあるか」
「完全にはな。消えてはおらん」
「天然痘もか」
「うむ、たまにあったりする」
そうだというのである。
「だから要注意じゃ」
「ペストは聞いていたがな」
「あれもまだあるからな。それも欧州だけではないからな」
「他の国でも流行っていたのか」
「不潔ならばな。何処でも流行るものじゃ」
鼠の菌がペスト菌だ。つまりペストは鼠からなのである。
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