髑髏天使
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第四十一話 暗黒その十七
「いいな」
「どうしてもだな」
「嫌ならいい」
その場合はというのだ。
「それなら貴様のそのマシンに乗るのだな」
「私のあの馬にか」
「そうしろ。俺は強制はしない」
突き放したような言葉だった。
「決してな。しかしだ」
「しかし、か」
「勝ちたいならばだ」
こう言って限定してみせたのだった。
「乗れ」
「貴様のその馬にか」
「そうだ、乗れ」
髑髏天使はまた告げた。
「わかったな」
「いいだろう」
そして死神もだ。頷いてみせたのだった。
「それではだ」
「乗るのだな」
「そうさせてもらう」
髑髏天使のその言葉を受けたのだった。
「それではな」
「では今からだ」
「乗ってどうする」
「貴様が考える通りの動きをしろ」
今はこう言うだけの髑髏天使だった。
「俺もそうする」
「考える通りのか」
「そうだ。そうすれば勝てる」
今度の言葉は断言だった。
「貴様も俺もな。あの妖魔にだ」
「その言葉だが」
「今のか」
「信じる」
こう髑髏天使に告げた。
「いいな、信じる」
「俺の言葉をか」
「その考えもだ」
言葉だけではないというのだ。
「考えも行動もだ。信じさせてもらう」
「だからこそか」
「乗ろう」
彼から言った。
「貴様のその馬にな」
「よし、それではだ」
「行くぞ」
「うむ」
二人でそのサイドカーに乗った。髑髏天使は運転席に、そして死神は助手席にだ。それぞれ乗ってそのうえでだった。
進みはじめた。妖魔に対してだ。
「二人で来るのね」
「そうだ、今度はだ」
髑髏天使はサイドカーを進ませながら妖魔の言葉に答えた。
「二人だ。どうする」
「簡単よ。防げるわ」
妖魔の言葉はここでも悠然としたものだった。
「これまで通りね」
「これまで通りか」
「私の盾に防げないものはないわ」
その白い糸の盾でだというのだ。
「だからよ」
「そうだな。貴様の盾で防げないものはない」
髑髏天使もこのことはよくわかっていた。
「だが」
「だが?」
「全てが防げるかというとそうではない」
「全てが?」
「今からそれを見せてやる」
こう言ってだ。そのうえでだった。
サイドカーを進ませる。全速力だった。
「それでまたぶつかるのかしら」
「だとすればどうする」
「防ぐわ」
それだけだというのだ。
「それだけよ。これまで通りね」
「そうだな。しかしだ」
「それでも突き進むのね。防がれるとわかっていて」
妖魔は勝利を確信していた。既に小蜘蛛達も出している。防いだ後でそのうえでだ。二人をまとめて倒すつもりだった。
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