| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

髑髏天使

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十七話 仙人その二


「それではだ」
「今は座天使でもです」
 しかし老人はまた言うのだった。
「さらに強くなります」
「智天使、それにね」
 女が言ってきたのだった。
「最上位ともなれば」
「そうです。ほぼ我等に等しくなります」
 その強さがというのである。
「ですから」
「最高位になる天使は数あった髑髏天使の中でも僅かだった」
 今言ったのは青年だった。
「数人もいなかったな」
「僕達を封印したあの髑髏天使はそうだったね」
 子供が言ってきた。
「確かね」
「智天使にしろ滅多になれるものではなかった」
 紳士が述べてきた。
「そしてさらに上となるとだ」
「さらに少ない」
 美女もまた言ってきた。
「最早数える程度もいはしない」
「しかしそうなればってことだよな」
 ロッカーもその言葉は鋭い。
「俺達に等しい力か」
「そうだな」
 また応える彼等だった。
「そうなればだな」
「あくまでそうだが」
「それではだ」
「智天使になった時か」
 その時だというのだった。
「見極めていくか」
「どういった存在になるのか」
「あの髑髏天使」
 他ならぬ牧村のことである。
「一体どうなる」
「それで」
「そしてです」
 ここでまた老人が口を開いてきた。
「キリムさんが来られましたがまた御一人」
「出て来たというのね」
「そうです」
 まさにそうだとその美女に答える老人だった。
「その通りです。これで十人ですね」
「増えてきたな」
 黒人はそれを聞いて述べた。
「かなりな」
「ええ、これで」
「また」
 彼等は口々に言っていく。
「仲間達が増えていく」
「これで」
「十二人になれば」
「どうするかだが」
「それに」
 ふと美女がまた言ってきた。
「気になることが一つある」
「一つ!?」
「一つとは」
「気配を感じることがある」 
 美女は言うのだった。
「どうもな」
「気配!?」
「というと」
「何者のだ?」
「まず言っておくが死神のものではない」
 彼ではないというのだ。
「あの男のものではな」
「それではないのか」
「違うのね」
「そうだ。違う」
 そうではないというのである。
「あの男でも眼神でもない」
「では何だ?」
「何の気配だ?」
「それがわからないのだ」
 そこまでは美女にしてもわかりかねるものだったのである。しかしその中でもこう述べる彼女であった。その述べた言葉が何かというと。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧