髑髏天使
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第六十話 最終その一
髑髏天使
第六十話 最終
若奈はだ。妹達や未久と共にだ。マジックにいた。
マジックのカウンターにいてだ。そのうえで話をしていた。
「若奈さん」
まずはだ。未久が若奈に言うのだった。彼女はカウンターの席に座っている。そのうえでカウンターの中に立つ若奈に話しているのだ。
「今度お兄ちゃんが作るんですよね」
「そうよ。ザッハトルテをね」
「ですよね。どうでしょうか」
「牧村君なら大丈夫よ」
若奈は笑顔で未久に答えた。
「絶対にね」
「そうですか。大丈夫ですか」
「牧村君お菓子作るの得意だからね」
それでだ。大丈夫だというのだ。
「安心していいわ」
「そうなんですか。ただ」
「ただ?」
「ザッハトルテ作るのはじめてですよね、お兄ちゃん」
はじめてだからだ。未久は不安だというのだ。
「やっぱりはじめてですから」
「無事できるかどうかはなのね」
「はい、不安です」
こう話すのだった。
「どうなるのか」
「あらゆることははじめてからはじまるじゃない」
若奈は笑顔で未久に話す。
「だから別にね」
「不安になることはないんですか」
「そうよ。別にね」
また話す若奈だった。
「牧村君も気合入れて作るでしょうし」
「そうそう。牧村さんのお菓子ってね」
「美味しいから」
若奈の二人も妹達も言う。彼女は未久と一緒にカウンターにいる。
そこにいてだ。そうして話すのだった。
「楽しみに待っていましょう」
「牧村さんのザッハトルテをね」
「わかったわ」
未久もだ。二人に言われてだ。
ようやくだ。納得した顔で言うのだった。
「じゃあここは」
「そう、楽しみにするべきよ」
若奈は笑顔で話す。
「是非ね」
「そうさせてもらいます」
「そういうことでね。それでね」
「それで?」
「今は何を食べるの?」
笑顔はそのままに未久に尋ねたのだ。
「それとも飲むの?」
「飲み物を御願いします」
未久が頼んだのはそちらだった。
「紅茶御願いします」
「紅茶ね」
「はい、ミルクティーを」
それをだというのだ。
「御願いします」
「私も」
「私も御願い」
妹達も姉に言う。
「同じミルクティーね」
「合わせて三つね」
「三つなの」
「そう、三つ」
「御願いね、お姉ちゃん」
「数間違えてるわよ」
しかしだった。若奈はだ。
笑顔でだ。こう妹達に言うのであった。
「三つじゃないわよ」
「っていうと?」
「どういうこと?」
「四つよ」
それだというのだ。数はだ。
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