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インフィニット・ストラトス~黒き守護者~

作者:eibro
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襲撃後日談

 
前書き
例にもよってside変換多いです。 

 
 IS学園のある場所で、千冬はIS委員会の面々とモニター越しだが対峙していた。

『それで、風宮祐人の返答は?』
「依然としてディアンルグについての情報開示を拒否しています。それに―――あなた方も今の彼の状態をご存知でしょう?」
『ああ。それゆえだ』
「では、私に何をさせるつもりですか?」
『簡単だ。ディアンルグの情報をこちらに流せばいい』

 その発言に千冬は今すぐにでもそいつらのいる場所に乗り込んで殺してやろうかという気持ちになった。それと同時に、祐人を守る剣が本来どんな力を持っているとかもまるっきりわかっていないとも感じた。

(シヴァはおそらく、本気で国を敵に回すだろう あの目は完全に覚悟をした目だ。例えそれがどんな敵でもなぎ倒す。そして私にはそれに見合うほどの力を有していると語っていた)

 そんな人間相手に無謀なことを言ったものだと千冬はそう思った。

「善処はします。ですが、必ずとも引き出せるとは限りませんので。では」

 それだけ言って千冬はその部屋から出た。

『それにしても、今の日本は全く使い物になりませんな』
『ええ。高々一人を落とすのにこれだけの時間を要するとは』
『それに、彼はどこかあの天災に似ている節がある』

 そんな会議をしている中、一人の男―――柳崎(やないざき)勇夫(いさむ)だけは静かにその行く末を見守っていた。

(くだらんな。今回のことと言い、五月のクラス対抗戦とやらは彼とディアンルグが力を発揮して撃退、六月でドイツが言えるはずはない。それも男性操縦者が処理した。さらに七月、これは瀕死の重傷を負いつつ、彼が福音とその後の誘拐事件を見事に解決に導いている。それに九月は更識簪とそのコア―――打鉄弐式と白式のコアを回収したのは彼、そして今回のことも撃墜数が多いのは彼のおかげだ。むしろ個人的にはその能力高さ故に今後の兵の育成をさせるべきだろうに………)

 どうせくだらないことになると悟りながら、彼はある人物に連絡するのだった。





 ■■■





―――マドカside

「それで、どう言い訳するのかしら?」
「余計な介入により、任務失敗ってところかな」
「………まぁ、白式と紅椿を倒しただけで十分としますか」

 スコールはそう言い、ノクトを許した。
 本来ならありえないのだが、今回はIS学園の教師を落としたこともありスコールが言った内容はクリアしていた。

「ハッ! 大見得切った割には大したことない―――」
「なるほど。オータムはあの放流に巻き込まれてもしなない自信があるんだ。あの中には絶対防御を無効化させる『シールドジャマー』があったっていうのに」

 なんだと……!?

「……ねぇノクト。それは本当なの?」

 スコールも気になったのか、ノクトに尋ねていた。

「まぁね。それで兄さんは瀕死。というか―――兄さんじゃなければ死んでいるわね」

 その言葉がこの場所の静寂に包ませたのは言うまでもない。
 そして後日、亡国企業の幹部会が風宮祐人を捕縛する方向を示した。





 ■■■





―――一夏side

 俺は今、黛先輩のお姉さんのインタビューを受けたお礼としてもらったレストランで箒と食事していた。その前に事情聴取を受けてから友だちの五反田弾―――その妹の蘭の聖マリアンヌ女学園で遊び、箒とレストランで食事って………未だに意識が戻っていない祐人に申し訳ない気もするが、勿体無いので来ていた。その前に謎の金髪美人―――ミューゼルにスーツを奢ってもらうなど色々やっていることは話さない方がいいだろう。

「どうした、一夏」

 俺の様子がおかしいと感じたのか、箒から声がかかった。


「いや、ちょっと祐人のことが心配になってな」

 俺と箒はあの白いISに完膚なきまでにやられた。白式と紅椿のダメージレベルがCになっており、しばらくは動かせない。そのために近くでボディガードがいるって話だが、その気配を感じないのはかなりのプロなのだろう。

「ああ。今も意識が戻らないらしいが………」

 最初、俺たちは渋ったのだが、千冬姉が「気分転換でもしてそのウザイ空気を払ってこい」と言って殴ってくるので仕方なく出た。相変わらず殴るのはいただけない気もするが、それは俺たちのことを思ってだろう。

「大丈夫だろう。今までアイツが死にそうになったことはあった。だから―――今回も信じればきっと戻ってくる」

 実際、今は安全域に到達しているので心配ないとのことらしい。
 だから俺も箒の言うとおり待っていることにした。





 ■■■





―――束side

 篠ノ之束は織斑千冬に電話をかけた。

『……何だ?』

 何度もかけ、ようやく出た相手に彼女は不満をぶつける。

「もぅちーちゃんやっと出てくれた~。無視するなんて酷いよ~゚(゚´Д`゚)゚」
『どこかの誰かが襲撃してくれたおかげで忙しかったからな』
「まぁ、それはそれ、これはこれ。実は聞きたいことがあるんだけど―――」
『風宮のことだな』

 相変わらず勘の鋭い幼なじみだなぁと束は感じた。

「うん。あのゴミはどうなったのか気になってね~」
『生きてるぞ』

 そしてその言葉にも彼女はフリーズした。

(え? あの攻撃で? 絶対防御を無効化してさらに銃弾を浴びせたのに!?)

 まさかあの攻撃で生きているなんて彼女は思わなかった。

『束』
「何かな?」
『お前が何を企んでいるが知らないが、これだけは言っておく。もう余計なことはするな』
「それは『教師』として? それとも『一人の人間』として?」
『どちらもだ』

 それを最後に千冬は電話を切った。

「………なるほどねぇ。あのゴミはそこまでちーちゃんを影響させたんだねぇ。まぁいいや。あれだけの事が起きて出ないちーちゃんの“アレ”もちゃんと確認しておきたかったし」

 そして束はある少女を呼ぶ。

「お呼びですか、束さま」
「うん。あのね、ちょっとお使い頼まれてくれないかなぁ?」
「わかりました。それで、使いというのは?」
「うん、届け物をして欲しいんだよねー」
「はい。場所はどこでしょうか?」

 そして束はその少女に告げる。その場所を。
 それが彼女にとって運命を変える原因となるとは知らずに。 
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