スーパー戦隊総決戦
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第十七話 決戦の場へその六
そんな中でだ。焼きそばも食べていた。ビールもである。
「いやいや、これもいいな」
「この組み合わせはな」
「かなりいいわね」
皆で言うのだった。見ればそれぞれの戦闘員達まで楽しくやっている。
「御前達も楽しむなりよ」
「決戦までに英気を養っておくぞよ」
「野球も楽しむでおじゃる」
ガイアークの三人もこんな調子だった。
「さて、阪神はこのまま勝つなりな」
「流石にここまで来て負けはないぞよ」
「そう思うでおじゃるよ」
観ればまた打っていた。完全に一方的である。
「しかしあのオリックスってチーム」
「弱いわね」
ヤバイバとツエツエもそれを言う。
「ボコボコじゃねえかよ」
「見ていて心地いい位にね」
「まあ私としてはですが」
ロンは悠然と笑いながら話す。
「中日が優勝すればそれでいいですが」
「龍だからなのね」
サキュバスがそれは何故かと答える。
「それは」
「はい、その通りです」
ロンも微笑んで答えた。
「ですから。中日が勝てばそれでいいのです」
「では阪神は優勝しては駄目か」
「それでは」
ホンゴブリンとブリッツはそこから出て来る一つの答えに返した。
「そうなるというのだが、それなら」
「違うというのか?」
「あえて申しませんが」
言いながら含み笑いであった。
「ですが中日ドラゴンズには深い共感を覚えます」
「龍虎相打つというがな」
「それはな」
ホンゴブリンもブリッツもこう言いはする。
「しかし。ここは甲子園だ」
「阪神を応援しなければな」
「かなり凄い興奮ね」
サキュバスは甲子園のその興奮について言及した。
「ここは」
「ああ、何かいるだけで楽しくなるよな」
「こういうの大好きだけれどね」
ヤバイバとツエツエは完全に楽しんでいる。
「ビールは美味いしな」
「焼きそばもね」
「そして何と言ってもこれですね」
ヒラメキメデスも明るい声で言う。
「このカチワリ。やはりこれです」
「よし、ここは英気を養いだ」
ドウコクは自分の酒を飲んでいる。そのうえでの言葉だ。
「戦いに向かうか」
「左様ですな。楽しみの後はまた楽しみです」
アクマロは戦いもまた楽しみだというのだった。
「では皆さん、まずはここを楽しみましょう」
「そうだな。今はその時だ」
ダゴンも普通に観客席にいる。
「この野球を観てな」
「ふむ。試合は決まったな」
サイクロプスは阪神がまた得点を入れたのを見て呟いた。
「オリックス。所詮は屑だな」
「みたいだね。何か随分と嫌われてるし」
ワイバーンはそこを言う。
「ここは阪神を応援するべきだね」
こんな話をしながら野球を観る彼等だった。彼等もまた楽しんでいた。そしてその決戦の時が遂に来ようとしていたのだった。
須磨の砂浜は美しい。朝の砂浜は海は清らかに澄んでいて砂は白い。誰もがそれを踏みしめそのうえで自分達の前にいる相手に対して言うのだった。
「それじゃあ遂にはじまるんだね」
「そうね」
エリがアラタに対して答える。
「遂にね」
「何か今まで色々とあったけれど」
「その戦いもこれで終わりなんだ」
「いい?アラタ」
エリの言葉が急に姉めいたものになった。
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