ヘタリア学園
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第千八百七話 猫も顔を
第千八百七話 猫も顔を
「どうでい、俺の猫は」
「顔が見えないのですが」
日本に自分の犬を誇らしげに見せるトルコ、日本はまずこう返しました。茶色い毛の猫ですがその顔には紙袋の覆いを被っています。
目のところだけ穴があります。そんな猫ですが。
「どういった猫ですか?一体」
「俺に似てイケメンでねい」
けれどトルコはこう言うのです。
「凄くいい猫でい。わかるだろ」
「ですからお顔が」
「わからないっていうんでい?」
「少し」
謙遜しています。それでもです。
トルコ猫はここで日本の足元に来てです。すりすりしてきます。トルコはそんな自分の猫を見てです。笑顔でこう話すのでした。
「どうやら日本が好きなようだねい」
「それは何よりですが」
日本はその覆いをまだ見ています。
「しかし。どうしてお顔に」
「俺に似て恥ずかしがり屋でねい。そうしてるのさ」
そうだというのです。
確かに顔は見せませんがそれでもです。トルコ猫は日本が好きなようです。その辺りは飼い主と同じです。やっぱりトルコは日本が好きなのです。
第千八百七話 完
2010・1・2
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