| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア学園

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第千七百六十八話  ここでもキムチ

第千七百六十八話  ここでもキムチ
「さて、日本を探す前になんだぜ」
「いきなり座り込んでどうするのも」
「腹ごしらえなんだぜ」
 韓国はこう言ってお弁当を取り出してきたのでした。
 何か異常に大きなお弁当です。余裕で十人分はあります。韓国はその巨大なお弁当を前にして誇らしげに言うのでした。
「これ食ってから探すんだぜ」
「あんた相変わらず食べるわね」
「人間飯食えるうちは負けないんだぜ」
 何気に自分のお家の北半分のことを言ってしまった韓国です。とりあえず彼はいつもお腹一杯食べることができています。有り難いことに。
 それでそのお弁当を開きます。そこにまずあったのは。
「ここでもキムチなのね」
「何か悪いんだぜ?」
「いや、何処でもキムチ食べるなって思って」
 台湾は首を傾げさせながら韓国に話します。
「そう思ってね」
「キムチは俺の原動力なんだぜ」
 これは誰もが知っていることです。生徒会室で食べてイギリスとフランスにうんざりとされているのは彼の目には全く入らないことです。
「だからここでも食うんだぜ」
「本当に好きね、あんたって」
 台湾は韓国のそのキムチ好きにいささか呆れた顔です。けれど今はそんなに強く言わないで彼が食べ終えるのを静かに待つのでした。


第千七百六十八話   完


                                         2010・12・11
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧