QUIZ ON THE DEAD 〜クイズ・オン・ザ・デッド〜
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第1章 ゲーム開始
THE QUIZ 3
月曜日。番組当日になった。悠介は朝早く起き、歯を磨いた。
自分の死ぬ前とは、こんな感じだろうか……。
悠介はそう思った。もっと暴れると思ったが、そうでもない。むしろ清々しい。人間、死ぬ前になると素直に全てを受け入れて、そのまま逝くようだ。
悠介は壁に掛かった時計を見た。午前5時。悠介は準備を済ませると、そのまま出る事にした。
外に出ても、誰も居なかった。小鳥のさえずる音が、心地良く耳に入って来る。悠介は、✖✖テレビ局への第一歩を踏み出した。
✖✖テレビ局は、悠介の家から徒歩20分の都会にあった。
「ここか……」
悠介はテレビ局の前で足を止めた。凄いビルだ。30階はあるだろうか。
悠介は、中に入って行った……。
その頃、番組撮影の準備を中ではしていた。
悠介がスタジオに入った途端、見学者達の目が一斉に悠介に向けられた。
「じゃあリハーサル行きま~す。今居る参加者の皆さんは、ステージに入って下さい」
と、スタッフのような人が指示を出している。そして、カメラマンが位置に付き、参加者はステージ上に上がった。成程、こうなってるのか、と、悠介は妙に落ち着いていた。
『QUIZ ON THE DEAD~!』
と言う司会者の元気な声と共に、一気に照明が点いた。眩しくて、悠介は思わず「ウッ」と声を漏らしてしまった。
『これは、参加型の負け抜け方式クイズ番組です! 生き残りが1人になるまでクイズは出題され、見事生き残った方には豪華な賞金があるのです! 参加者の皆さん、頑張って下さいね!』
黙れ、政府の犬。悠介は、口の中で小さく呟いた。何でこんな事をしなければならないんだ。もう覚悟は出来ている筈なのに、身体が震えて来た。朝の落ち着きが嘘みたいだ。
これはリハーサルなので、不正解を3回出しても処刑はされない。番組スタッフにも、落ち着いてやってくれて結構ですよ、と言われていた。そして幾つかの簡単な都道府県クイズが出題された後、リハーサルは終わった。
「後20分で本番ですからね、心の用意、しといて下さい」
番組スタッフにそう言われて、それまでは自由時間になった。テレビ局から出ても良いとも言われた。悠介は、テレビ局内から出る事にした。
悠介はエレベーターに乗り、1階のボタンを押し、しばらく待った。途中色々な階で止まったが、悠介がQUIZ ON THE DEADの参加者だと分かると、気まずいのか誰も乗らなかった。のでスムーズに行けなかったが、やっと1階に到着した。
さて、これからどうしよう。
悠介は小さく呟いた。都会のド真ん中なので何でもあるにしても、何をしたら良いのか分からない。取り敢えず、近くの喫茶店にでも入る事にした。
近くに喫茶店は1つしか無かった。“喫茶店 YUME”と言うらしい。悠介は入ってみた。
「こんにちは~何かありますか?」
と言って中に入る。気前の良い店員が、それに応じてくれた。
「今日のオススメは、カフェ・オレとオムライスのコンビです。今ならお安くなってます」
「じゃあそれ下さい」
悠介は席に付く。すると、横の席の中年男性が話し掛けて来た。
「もしかして貴方、QUIZ ON THE DEADの参加者ですか?」
悠介は、せっかくの気分を乱されたような気がし、ムッとして返事をした。
「だから何です。貴方は何者ですか? 人の事を口走るなら、先に自己紹介をするのが、礼儀って物じゃないでしょうか」
「おっと、これは失礼。まさか、高校生に正されるとは思わなかったな。実は、私もQUIZ ON THE DEADの参加者なんだ。以後宜しく」
「宜しくお願いします。俺、史乃悠介って言います」
「私は尾田三郎。趣味で探偵をやっている者だ」
「しゅ、趣味で探偵を!? 何か、今までに妙な依頼とか無かったですか?」
「う~ん、そうだね……」
悠介達は話に華を咲かせ、あっという間に時間は過ぎた。悠介達は、✖✖テレビ局に向かった。
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