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争わせたうえで

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第六章

「焼いてね」
「食べない?」
「そうしよう」
 従兄は笑顔で頷いて応えた。
「前に焼きそばをしたけれど」
「あれも美味しかったね」
「けれどね」
「お好み焼きもいいね」
「うん、贅沢はいらないけれど」
「仕留めたらね」
 岩清水もその時はと言った。
「こうしたいから」
「次はだよ」
「お好み焼きがいいね」
「二人で一緒に焼いて」
 自分達でというのだ。
「そうしてね」
「仕留めたターゲットの写真を見ながら」
「楽しもう、しかしいじめが尽きることはね」
「ないよね」
「だからね」
 それでというのだ。
「これからもだよ」
「僕達は動いていくね」
「そうだよ、いじめっ子を見付けたら」
 その時はというのだ。
「一切手段を選ばないで」
「容赦なくね」
「糾弾して」 
 そうしてというのだ。
「成敗するんだ」
「そうだよね」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「成敗したら」
「こうしてお祝いして」
「まただよ」
「成敗するね」
「そして僕達はね」
 従兄はこうも言った。
「お金は必要ない」
「仕事人でも殺し屋でもないね」
「そうだよ」
 このことも言うのだった。
「間違ってもね」
「そうだよね」
「だからね」
「報酬は出す人がいても」
「一切ね」 
 そうであってもというのだ。
「絶対にだよ」
「受け取らないね」
「お金じゃないんだよ」
 従兄は強い声で言った。
「僕達のやっていくことは」
「そうだね、いじめという悪を成敗することだから」
「お金じゃないよ、ちゃんと活動費を出してくれている人もいるし」
「そうだね、あの人がね」
「それでやっていってるし」
「勿論僕達はそっちのお金を自分達の為に使っていないし」
「お金はね」 
 これはというのだ。
「自分達が必要なだけあればね」
「それでいいしね」
「だからね」
「お金のことじゃない」
「一切受け取らない」
「そして純粋にいじめを糾弾していこう」
「悪を成敗していこう」 
 二人で誓い合った。
「今回のターゲットも成敗したし」
「二人共一家無理心中に追い込んでね」
「だったらね」
「そのことを今はお祝いしよう」 
 こう話して焼肉を食べた、そしてまた次のターゲットを見付けると同志達と共に動いた。そしてその者達も破滅させて笑ったのだった。


争わせたうえで   完


                   2025・7・26 
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