家族を待っていても
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第一章
家族を待っていても
インディアナ州で生きものの保護施設の職員をしているテイラー=ブロックグレーの目とオールバックの金髪の面長できりっとした顔立ちの長身の青年の彼に通報が来た。
「ダルメシアンに似た子ですか」
「はい、ダルメシアンにです」
通報した人は電話で彼に話した。
「ピットブルにビーグルもです」
「ミックスされていますか」
「色は白黒のブチで」
「ダルメシアンが強いみたいですね」
「はい、雌です」
性別も話した。
「その娘は近所の人に飼われていましたが」
「その人が、ですか」
「引っ越す時にです」
「その娘を置いていったんですね」
「はい」
そうだというのだ。
「これが。それで」
「我々にですね」
「保護をお願いしたいですが」
「わかりました」
ブロックは一言で答えた。
「すぐに現場に向かいます」
「そうしてくれますか」
「そして保護します」
そうすることを約束した。
「すぐに」
「お願いします」
「はい、それでは」
こう話してだった。
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