犬の兄弟姉妹
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第二章
「凄くな」
「ああ、犬もな」
「家族の愛情あるよな」
「そしてな」
そうであってというのだ。
「仲よく一緒に遊べるんだ」
「そうだよな」
「ええ、ただね」
ここで百合子は笑って話した。
「どの子もよく似てるから」
「同じトイプードルでな」
「大きさも体形も毛の色もね」
「兄弟姉妹だから余計にな」
「だから見わけが付きにくいわね」
「首輪にそれぞれの名前があるけれどな」
それでもというのだ。
「それがないとな」
「わかりにくいわね」
兄弟姉妹達と楽しく遊ぶふわりを見て笑顔になった、そんな話をしてだった。
この日はふわりを彼女の兄弟姉妹達をと会わせそのうえで一緒に遊ばせもした。夕方になるとそれが終わってだった。
家に帰った、家に着くと洋介はふわりに尋ねた。
「ふわり楽しかったか?」
「ワン」
洋介の前にちょこんと座って尻尾を振っての返事だった。
「兄弟姉妹と会えて楽しかったか?」
「ワン」
やはり同じ返事だった。
「また会って遊びたいか?」
「ワン」
またしても同じだった、その三度の返事を見て聞いてだった。
洋介も笑顔になった、それで言った。
「また行こうな、兄弟達とな」
「ええ、ふわりを会わせましょう」
百合子が応えた。
「そうしてあげましょう」
「機会があればな」
「今回は皆揃ったけれど」
「一匹だけでもな」
「そうしてあげましょう、そうしたら」
それならというのだ。
「ふわりも喜ぶから」
「だからな」
「そうしてあげましょう」
「そうしような」
洋介も応えた、そうしてだった。
ふわりの生家のブリーダーの人達とも話をした、そしてまたふわりを彼女の兄弟姉妹と会わせる火を設けることにして実際に会わせていくのだった。
犬の兄弟姉妹 完
2025・7・23
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