コネ入社なので
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第一章
コネ入社なので
高校を出てすぐにだった、坂本鏡太郎はその会社に入った。自分が知らない間にとんどん拍子に面接や入社試験の準備が整ったうえでのことだ。
髪の毛を金髪のショートにしている、面長でやんちゃそうな顔立ちである。その彼が高校を卒業してから叔母でその会社の社長である正美黒髪をロングヘアにした二十代後半で顎の形がいいキラキラとして黒く大きな目と紅の整った唇を持つ胸の大きい一五七位の背の彼女に言われた。
「髪の毛は黒くしてね」
「あの、何か俺気付いたら試験とか面接決まってたけれど」
鏡太郎はその叔母に言った。
「何でかな」
「だって貴方ヤンキーでしょ」
「そうだけれどさ」
鏡太郎自身否定しなかった。
「けれど大学行こうかなって思ってたしさ」
「どの大学よ」
「さて、何処か」
「そんな曖昧な態度だったらまず就職して社会の常識身に着けてよ」
「それからか」
「行っても遅くないって身内でお話してよ」
「俺就職することになったんだな」
「そうよ、ではいいわね」
「叔母さんの会社でか」
父の一番下の妹で一族でやっている県内でそこそこ有名な企業グループの中の会社の一つを任されている彼女に言った。
「働くんだな」
「そうよ、社会の常識を覚えなさい」
「お金稼ぎながらか」
「アルバイトの経験はあるでしょ」
「趣味だったからな」
実は高校の三年の間ずっとコンビニで働いていた。
「あるよ」
「その経験も活かしてよ」
「働かせてもらうな」
こうしてだった。
鏡太郎は正美の会社で働くことになった、だが。
社員として働く中でだ、彼はすぐにわかった。
「俺って完全にコネだよな」
「一目瞭然ね」
正美がすぐに答えた。
「それは」
「そうだよな」
「そのことわかっているわね」
「ああ、コネ入社ってな」
彼はさらに言った。
「あるんだな、それでコネだとな」
「わかるわね」
「それで入ったってことを弁えて」
そうしてというのだ。
「やっていかないとな、身内の会社で変なこともな」
「出来ないでしょ」
「そうなんだよな」
黒に戻した髪の毛に手をやりながら語った。
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