ドリトル先生とサーカスの象
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第六幕その十
「生態系に影響を及ぼすからね」
「実際にそうなっているね」
「だから捕鯨も必要で」
「鯨のお肉を食べてもいいね」
「そもそも僕達だって捕鯨をしていたよ」
先生は歴史のお話もしました。
「かつてはね」
「鯨油を手に入れる為にだね」
「メルヴィルの白鯨だってね」
この小説もというのです。
「鯨油を手に入れる為にやっていたしね」
「そうだったね」
「しかも鯨油を手に入れたら」
「お肉は食べなくてね」
「皮も骨もだよ」
そうしたものもというのです。
「一切ね」
「使わなかったね」
「そうだったからね」
「欧州やアメリカの捕鯨は」
「けれど日本の捕鯨は」
「お肉を食べてね」
「皮も骨も利用するから」
だからだというのです。
「いいんだよ、むしろね」
「むしろ?」
「捕鯨に無闇に反対するのが」
その方がというのです。
「おかしいよ」
「生態系に影響を及ぼすから」
「そうだよ、鯨が人の次に頭がいいから食べるなって言ったら」
それこそというのです。
「若し牛がそうだったらどうかな」
「食べる人多いね」
「食べないのかな」
「ちょっとなさそうだね」
王子も言います。
「先生も僕も牛肉食べるしね」
「そうだね」
「だからね」
「自分達は食べないからね」
鯨肉をとです、先生は言います。
「そう言うんだ、極端なヴィーガンの人と同じだよ」
「捕鯨反対は」
「ヴィーガンの人もお肉食べるなって暴れる人いるね」
「食肉工場の作業妨害したりしてね」
「自分がそうだから人もそうしろってね」
「強制はよくないね」
「そうした行為は民主的じゃないし」
そうであってというのです。
「独善的でね」
「間違っているね」
「そうだよ」
全く以てというのです。
「本当にね」
「そうだよね」
王子も確かにと頷きます。
「僕も思うよ」
「そうだね」
「僕も捕鯨賛成だよ」
「だからコロも食べるね」
「そう、そしてね」
そのうえでというのです。
「ヴィーガンでもないし」
「他の人に強制しないね」
「お肉食べるななんてね」
そうしたことはというのです。
「絶対にだよ」
「言わないね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
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