夢幻水滸伝
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第四百話 ブエノスアイレス会議その八
「そうしていきますね」
「そや、都市の労働者に農村の農民」
「両方ですね」
「別に経営は悪くない」
経営者の存在はというのだ。
「雇用主も必要や」
「世の中には」
「しかし大事なんは何か」
「貧富の差と労働条件ですね」
「働いてもや」
「生きていくことですね」
「それが出来へんとな」
どうかとだ、インペルはリョサに話した。
「やっぱりな」
「逃げていきます」
「皆な」
「それか使い潰していって」
「誰もおらん様になる」
「どっちかですね」
「代わりが幾らでもおるとか」
そうしたというのだ。
「そんな考えやとな」
「人がいなくなりますね」
「それこそすぐに」
二人もそうした考えについては否定している、否定的という曖昧さが残るものではなくきっぱりと否定しているのだ。
「ソ連がそうですしね」
「人がいなくなりました」
「革命、ホロドローム、粛清、二次大戦でそうしてやっていって」
そうしてとだ、インペルはさらに話した。
「その結果な」
「冗談抜きで人材がいなくなっていましたね」
「特に働き手の男の人が」
「二次大戦で滅茶苦茶消耗して」
「そのせいで」
「超大国になったけどな」
そう言われていたがというのだ。
「何千万も死んでやっていけてたか」
「何千万はないです」
リョサも顔を顰めさせて述べた。
「流石に」
「割合で言うと当時のソ連の何割かは死んだ」
「そこまで死ねば」
「もうな」
それこそというのだ。
「人材がおらん様になるわ」
「実際になって」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「それが響いて」
「後の崩壊につながったという見方も出来ますね」
「代わりは幾らでもおったか」
セプルベダも言った。
「それを見ると明らかですね」
「そや、それでブラックはあかんとな」
インペルはステーキの横にある揚げたジャガイモを食べつつ言った。
「言えるわ」
「そうですね」
「それで労働条件もな」
「確かにしていきますね」
「そや、そしてな」
そのうえでというのだ。
「発展させてくで」
「勢力全体を」
「そうするで」
二人に勢力のことを話したのだった、そしてだった。
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