| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生とサーカスの象

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六幕その一

                第六幕  象と水浴び
 今太郎達は小屋から出してもらってスタッフの人達にホースから水を浴びせられています、そのうえで身体を洗ってもらっていますが。
「凄くね」
「気持ちいいね」
「うん、最高だよ」 
 太郎は傍にいる先生に笑顔で言いました。
「いつもこうしてね」
「身体を洗ってもらっているね」
「僕水浴び大好きなんだ」
「お父さんもお母さんもだね」
「うん、そうだよ」
「象は水浴びが大好きだからね」
 先生も笑顔で言います。
「だからだね」
「うん、毎日ね」
「水を浴びさせてくれるね」
「そして洗ってくれるんだ」
「いいことだね」
「何かね」
 ここで太郎はこんなことを言いました。
「サーカス団によってはこんなね」
「毎日身体を洗ってくれないね」
「そうらしいね」
「うん、酷いところだとね」
 先生は太郎に眉を曇らせてお話しました。
「ショーの時以外はずっと小屋か檻の中で」
「そこから出してくれなくて」
「それでね」
 そうした状況でというのです。
「身体を洗ってくれるとか」
「ないんだ」
「そんなところもあるよ」
「そうなんだね」
「象に水浴びは必要だよ」
 先生は言いました。
「本当にね」
「それでもだね」
「そんなことはしないで」
 一切というのです。
「ショーだけさせる」
「酷いね」
「そんな環境だとね」
 それこそというのです。
「象もストレスが溜まるしね」
「よくないね」
「そうだよ」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「そうだよね」
「だからね」
 それでというのです。
「君は幸せだよ」
「毎日水浴びが出来ることも」
「そうだよ、冬はお湯だね」
「うん、冬のお水は冷たいからね」
 だかだとです、太郎は答えました。
「スタッフの人達はちゃんとね」
「お湯を用意してくれてだね」
「それを浴びせてくれてね」
 そうしてというのです。
「身体を洗ってくれるよ」
「そうだね」
「それがまたね」 
 太郎は笑顔で言いました。
「気持ちいいんだ」
「何よりだね」
「本当にね、ただね」
「ただ?」
「うん、僕はね」
 こうも言う太郎でした。
「冬にお水でもね」
「いいんだね」
「そうだけれどね」
「いや、そこはね」 
 先生は太郎に確かなお顔で言いました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧