ドリトル先生とサーカスの象
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第六幕その一
第六幕 象と水浴び
今太郎達は小屋から出してもらってスタッフの人達にホースから水を浴びせられています、そのうえで身体を洗ってもらっていますが。
「凄くね」
「気持ちいいね」
「うん、最高だよ」
太郎は傍にいる先生に笑顔で言いました。
「いつもこうしてね」
「身体を洗ってもらっているね」
「僕水浴び大好きなんだ」
「お父さんもお母さんもだね」
「うん、そうだよ」
「象は水浴びが大好きだからね」
先生も笑顔で言います。
「だからだね」
「うん、毎日ね」
「水を浴びさせてくれるね」
「そして洗ってくれるんだ」
「いいことだね」
「何かね」
ここで太郎はこんなことを言いました。
「サーカス団によってはこんなね」
「毎日身体を洗ってくれないね」
「そうらしいね」
「うん、酷いところだとね」
先生は太郎に眉を曇らせてお話しました。
「ショーの時以外はずっと小屋か檻の中で」
「そこから出してくれなくて」
「それでね」
そうした状況でというのです。
「身体を洗ってくれるとか」
「ないんだ」
「そんなところもあるよ」
「そうなんだね」
「象に水浴びは必要だよ」
先生は言いました。
「本当にね」
「それでもだね」
「そんなことはしないで」
一切というのです。
「ショーだけさせる」
「酷いね」
「そんな環境だとね」
それこそというのです。
「象もストレスが溜まるしね」
「よくないね」
「そうだよ」
こう言うのでした。
「本当にね」
「そうだよね」
「だからね」
それでというのです。
「君は幸せだよ」
「毎日水浴びが出来ることも」
「そうだよ、冬はお湯だね」
「うん、冬のお水は冷たいからね」
だかだとです、太郎は答えました。
「スタッフの人達はちゃんとね」
「お湯を用意してくれてだね」
「それを浴びせてくれてね」
そうしてというのです。
「身体を洗ってくれるよ」
「そうだね」
「それがまたね」
太郎は笑顔で言いました。
「気持ちいいんだ」
「何よりだね」
「本当にね、ただね」
「ただ?」
「うん、僕はね」
こうも言う太郎でした。
「冬にお水でもね」
「いいんだね」
「そうだけれどね」
「いや、そこはね」
先生は太郎に確かなお顔で言いました。
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