ハッピークローバー
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第百七十八話 理性の必要性その八
「合格するからね」
「普通科に」
「そうするわ」
「私も勉強したしね」
去年のことを思い出してだ、理虹は話した。自分の成績についてはあまり自信がないがそれなりにと思いつつそうした。
「あの時は」
「そうよね、お姉ちゃんも勉強してたわね」
「ほぼエスカレーターでね」
「中高一環と同じよね」
「八条学園はね」
「大学までね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「やっぱりね」
「それなりの成績でないとね」
「あまり悪いと」
成績がというのだ。
「落ちるから」
「実際落ちた人いるわね」
「ええ、しかもそいつ素行も悪くて」
「性格悪かったのよね」
「男子でね、チビで蛸みたいな顔してて」
「ああ、何かそんな先輩いたわね」
実加もその外見を聞いて言った。
「剣道部にいた」
「そうそう、後でボクシング部に移ったね」
「剣道部の娘が凄い嫌ってたわ」
「嫌な先輩いるって」
「意地悪いね」
「物凄く意地悪くて自分勝手でね」
その人格の話もした。
「ケチで図々しくて告げ口や陰口や嘘ばかりで」
「本当に性格悪いのね」
「自分が嫌いな相手と仲悪い相手に色々嫌いな相手のこと吹き込んだりね」
「自分は何もしないで」
「嫌いな相手攻撃させたりしていたのよ」
「最低ね」
「強い人には諂って」
理虹はさらに話した。
「弱い者いじめ大好きでね」
「とことん性格悪いわね」
「だから皆から嫌われていたのよ」
「しかも成績も悪くて」
「今県でも有名なドキュン高校にいるわ」
「偏差値最低の」
「生徒のマナーもね」
どちらもというのだ。
「そうよ、本当に成績が悪いと」
「落ちるのね」
「流石にね、まあこいつは素行も悪くて」
「内申点も悪かったのね」
「だからね」
そうだったからだというのだ。
「落ちたけれどね」
「成績も素行も」
「そう、両方ね」
「それだと落ちるのね」
「あんた素行は私よりいい位だし」
妹に彼女のそのことも話した。
「真面目で成績もいいし」
「いいかしら」
「私よりいいでしょ」
こう言うのだった。
「むしろね」
「そうかしら」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「そのまま勉強してたらいけるわよ」
「普通科に」
「多分ね。万が一よ」
強く前置きしてだ、姉は妹に話した。
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