ソードアート・オンライン stylish・story
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第十七話 余興
リズベットと金属を取りに行って数週間後、シュウは自分のホームで何時ものスタイルで寛いでいた。
シュウとリズベットが金属を持ち帰り、鍛え上げられた槍は今まで見てきた槍の中で最高クラスの攻撃力を誇っている代物となり、その槍は後日にやってきた攻略組みの一員に現金と交換された。そしてシュウのリベリオンも修復され、普通に振ることが出来た。シュウはリズベットの腕を見込んで、武器と防具のメンテナンスはリズベットに頼む事にした。
そして数週間の月日が流れ、最前線もかなり進み、このまま行けばクリアもそう遠い話ではないだろう。
「ふ、あ~あ。それにしても俺がこのゲームにインして2年位経つのか・・・リアルじゃどうなってんだろうな?」
シュウは欠伸を掻きながら、らしくもなくリアルの事を気に掛けていた。
2年・・・それだけの日々がリアルでは経っているのだから気に掛けない方が可笑しいのかもしれない。
「まあ・・・気にてても仕方ねぇか。んでも、今日はどうすっかな?依頼も全部こなしちまったし、客は来ねぇし・・・」
シュウが一人で愚痴を言っていると・・・
「こんにちは♪」
出入り口のドアが開くと元気で可愛らしい声と共に一人の少女が入ってきた。
「おっ!シリカじゃねぇか。久しぶりだな」
「えへへ。お久しぶりです、シュウさん」
その少女は嘗てキリトとシュウが助けたビーストテイマーのシリカだった。彼女の相棒のピナを助けるために力を貸して、それ以来会っていなかったのだがシュウの名前がSAOに響いて行くと共に住んでいる所・・・便利屋の場所まではっきりしていた。
「ピナも元気そうでなによりだぜ」
「ピィ♪」
シリカの相棒のピナはシリカの肩を一旦離れるとシュウの肩に乗ると頬擦りをしてくる。どうやらピナは自分を助けてくれたシュウには心を開いているようだった。
「キュイ♪」
「おい、こらっ!くすぐってぇぞ」シュウはピナに対して嫌がるような声をかけていたが、表情は笑っていた。どうやらシュウも満更ではないようだ。そしてピナはシュウと少しの間戯れるとシリカの元に戻って行った。
「それで、今日は何の用でここに来たんだ?」
「用は無かったのですが、久しぶりにシュウさんの顔が見たくなったと言うか・・・その」
シリカは自分でも何を言っているのか分からずに赤面しながらアタフタしているとシュウがシリカの頭の上にポンと自分の右手を添える。
「まっ、理由がねぇにしても会いにきてくれたのは嬉しいぜ?シリカ」
シュウの言葉にシリカはパアと笑顔になって行った。そしてシュウは何かを決心したのか壁にかけてあったリベリオンを取り外すと、背中に収める。
「丁度良い。今日はもう店じまいだ。客も来ねぇみたいだし、今日はシリカに付き合ってやるよ」
「良いんですか?シュウさん」
「暇な時間をダラダラ過ごすより、目の前にある事柄の方が俺にとっちゃ重要なんだよ」
シュウには無駄な時間を過ごすよりも、誰かと時間を潰したり、充実した時間を送っていた方がまだマシだった。そして今現在ではシリカのために時間を潰した方が良いと取ったのだろう。
「良し!今日はシリカに俺の料理をご馳走してやるよ」
前にも説明をしたがシュウは趣味で良く料理をする。
リアルでもそれなりの腕を振るっていた。しかしSAOの料理は簡略化されすぎて、本人自身は少し疑問の念を抱いていたが出来ないよりはマシだと思い、先日には料理スキルをMAXにする事が出来た。
「えっ、シュウさんの手料理ですか!?」
「おう。これでも俺は料理スキルはMAXなんだぜ?」
シュウがドヤ顔で誇らしげに語っていたが、シリカは・・・
「シュウさんが料理・・・何だか似合ってないですよ?」
首を傾げ、シュウの自慢を疑問に感じていた。それは分からなくも無かった。シュウみたいなチャラチャラした男子が料理をするとなると普通の人は意外と思うだろう。その事にシュウは・・・
「おいおい!酷い言い様だな!?これでもリアルじゃ結構料理してるんだぞ?外見で決め付けられるのは流石に傷つくぜ?」
と反論する。シュウにはシュウなりの心を持っているため、その心が否定されるのは流石に傷つくものらしく、表情を暗くする。それを見たシリカは真っ先にシュウに謝る。
「ご、ゴメンなさい!!」「ま、シリカがそう言うのは分かるけどな。やっぱ俺ってチャラ男に見られてるのか・・・」
シュウは頭を抱えていたが、シリカが慰める様に声をかける。
「大丈夫ですよ、シュウさん!確かにシュウさんはチャラチャラしてて・・・」
ドスッ!
「変な人ですけど」
ドスドスッ!!
「料理が出来るのはとても良い事・・・って、あれ?シュウさん?」
「ピィ?」
シリカとピナが見たのは壁に手をあて、ズゥーンと落ち込んでいる姿だった。どうやらシリカに【天然】と言う名の止めを刺されたみたいだった。
「あの、シュウさん?」
「シリカ・・・お前は俺を慰めたいのか傷つけたいのか分かんねぇよ」
そして数分後。気を持ち直したシュウはシリカに自分の提案を持ちかける。
「なあ、シリカ。俺と一緒にS級食材を探さねぇか?」
「S級食材って・・・稀にしか見れないモンスターがドロップする貴重な食材アイテムですよね?」
シリカの説明した通り、この食材は普通の食材とは大きく異なり、常に出現するモンスターが持っているアイテムよりも味が良いらしい。しかしその出現率と遭遇率はかなり低いとされている。
「ああ。噂で聞いたんだが、50層・【嘆きの森】にそのアイテムをドロップするモンスターが居るみてぇなんだ」
「でも、見つからなかったらどうするんですか?」
「そん時はそん時で普通の食材で作るさ。どうだ?行ってみないか?」
シリカのレベルは55近くなので無理をしなければどうと言う事もない。それにシュウが彼女の護衛に当たれば、鬼に金棒だ。そしてシリカ自身も今だ見たことのないS級食材とシュウの手料理に興味があるのか、その意見に乗る。
「はい!私もシュウさんの料理を食べてみたいです!!」
「キュイ♪」
それを聞いたシュウはニヤリと笑みを浮べる。
「そう来ないとな!!OK!!んじゃ、出発だ!!」
後書き
感想と指摘。よろしくお願いします!!
今更ですが、この小説はALOで終了となりますのでご了承下さい。
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