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ドリトル先生とサーカスの象

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第五幕その八

「宜しくお願いします」
「わかりました、先生は真の紳士ですね」
「そう言って頂けますか」
「人のプライベートは尊重し立ち入らないことはです」
「紳士ですか」
「真の紳士ならです」
 団長さんは先生に言いました。
「そうしたことはしないので」
「だからですか」
「今もお話させて頂きます」
「そうなのですね」
「まことに」
 団長さんは心からお話しました、そしてです。
 先生にサーカス団のお話もしました、そのお話の後で夜に一緒に飲む約束もしましたがその後で、です。
 研究室で、です。皆は先生に言いました。
「虫の言葉がわかるってね」
「考えてみたら凄いね」
「アリやカブトムシの言葉がわかるって」
「かなりね」
「凄いよね」
「最初は理解出来るかどうか不安だったよ」
 先生は皆にもお話しました。
「けれどじっくり学んでいってね」
「わかる様になったね」
「虫の言葉も」
「色々な虫の言葉が」
「虫じゃないけれど蜘蛛やダンゴムシの言葉もね」
「わかる様になったね」
「虫の種類は非常に多くてね」
 それでと言う先生でした。
「まだわからないものが多いけれど」
「それでもだよね」
「かなりわかる様になってるね」
「それは事実だよ」
「先生もね」
「そうだといいね、そしてね」
 そうしてというのです。
「今も学んでいるよ」
「虫の言葉もね」
「海底生物の言葉もでね」
「ダイオウグソクムシの言葉もわかるね」
「それで鳥羽水族館でもお話したね」
「うん、ただあの時は」 
 先生は鳥羽水族館でそのダイオウグソクムシとお話した時のことを思い出して皆に考えるお顔でお話しました。
「彼がずっと食べずにいられる理由はわからなかったね」
「そうだったね」
「本人もわからなかったしね」
「何年も食べないで平気な理由が」
「それがね」
「そのことは残念だけれど」
 ダイオウグソクムシが何年も食べなくて平気なそれはというのです。
「けれど会話は出来るよ」
「そうだね」
「先生本当に色々な言葉がわかるね」
「人間の言葉だってね」
「そうだよね」
「そうだよ、あと生きものの言葉は大抵アルファベットや漢字で表現出来て」 
 そうであってというのです。
「辞書にしやすいよ、一種類の文字と英語の様な文法でね」
「通じるね」
「訳することも出来るね」
「そうだね」
「まさに」
「そう、そしてね」
 それでというのです。
「結構わかりやすいよ、日本語よりずっとね」
「ああ、日本語はね」
「僕達が今いる国の言語はね」
「かなりわかりにくいね」
「これがね」
「文字が三種類もあってね」
 そしてと言う先生でした。 
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