しおりを登録しました

 | 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生とサーカスの象

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五幕その四

「今のイギリス軍以上にね」
「そうだよね」
「儀礼で乗る位だね」
「昔は軍隊っていうと騎兵隊でね」
「花形だったけれどね」
「今は機械化されて」
「戦車や装甲車になっていてね」
 そうしてというのです。
「移動だって自動車だね」
「そうそう」
「時代は変わったよ」
「今じゃそうなっているよ」
「騎兵もいないわ」
「そうなっているからね」
 それでと言う先生でした。
「あの頃みたいにね」
「ロシア軍の士官という触れ込みで」
「ショーに出ることもないね」
「そうなっているわね」
「そうなっているよ」
 こう言うのでした。
「今ではスポーツだよ、今回は僕自身がそのまま出て欲しいと言われているんだ」
「サーカスのショーに」
「先生として出るんだね」
「ロシア軍の士官じゃなくて」
「ありのままね」
「そう頼まれてるんだ、けれどね」 
 それでもというのです。
「断っているよ、団長さんはそれでもと言うけれど」
「先生は出たくないね」
「どうしても」
「先生ショーに出るの好きじゃないから」
「それでだね」
「何度も断るよ、出るつもりはないよ」
 全くというのです。
「本当にね」
「うん、出るならね」 
 チーチーが言ってきました。
「僕達の方がいいね」
「お芝居だって出来るしね」
 ダブダブが続きます。
「だからね」
「先生が出るよりもね」
「私達が出ることね」
 チープサイドの家族も言います。
「その方がいいわね」
「ずっとね」
「というかそう言ったら?」
 ジップは先生に提案しました。
「ここは」
「そうそう、僕また頑張るよ」
 ガブガブはかなり乗り気です。
「またスターとして頑張るよ」
「さて、どんなお芝居になるか」
 ホワイティも言います。
「今から楽しみだよ」
「先生が出なくてもね」
「僕達がいるからね」
 オシツオサレツは二つの頭で言います。
「安心していいよ」
「団長さんだってね」
「じゃあ先生そう言おう」
 トートーも先生に言います。
「先生の代わりに僕達が出るってね」
「じゃあこれで決まりね」 
 ポリネシアはきっぱりと言いました。
「私達が出るってことで」
「じゃあそういうことでね」
 老馬の言葉はあっさりしたものでした。
「決まったよ」
「皆がそう言うなら」
 それならとです、先生も応えました。
「団長さんにお話するね」
「そう、先生は僕達の監督」
「劇団の支配人ということでね」
「表には出ないで」
「頑張ってね」
「そうするね」
 先生もそれならと応えました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧