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ドリトル先生とサーカスの象

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第五幕その三

「ごく稀だよ、そんな人にだよ」
「先生なったね」
「最後はね」
「ロシア軍の将軍に」
「思えば凄かったね」
「全くだよ、ただあの時のロシア軍よりもね」
 先生はお酒を飲みつつ難しいお顔で言いました、お酒はトミーがどんどん持ってきてくれています。
「僕はイギリス軍が自衛隊が好きで」
「今のロシア軍も好きじゃないね」
「そうだよね」
「ソ連軍もだったしね」
「あの時のロシア軍もだったね」
「行いが悪いからね」
 だからだというのです。
「ロシア軍は」
「今もそうでね」
「昔もそうで」
「ソ連軍もそうでね」
「おかしな伝統みたいよね」
「昔日本の知識人の人達はソ連軍を平和勢力の軍隊と呼んだんだ」
 このことも言うのでした。
「共産主義は世界を平和にする考えで平和勢力でね」
「ソ連軍もなんだ」
「平和勢力の軍隊だったんだ」
「そう言っていたんだ」
「満州や北方領土を攻め込まれて」
 終戦間際にというのです。
「沢山の人が犠牲になったのにね」
「よく言えたね」
「そういうの見たら絶対に違うのに」
「知識人の人達はそう言ったんだね」
「とんでもないね」
「平和勢力じゃなかったよ」 
 先生は断言しました。
「あの頃のソ連なんてスターリンの時代だったしね」
「そうだよね」
「バルト三国を併合してフィンランドに攻め込んで」
「二次大戦の後で東欧の国々を従えさせた」
「そんな人だったね」
「粛清や弾圧もして」
「平和な筈がないよ」
 全く、という口調でした。
「ソ連はね、それからも何かとやったしね」
「そうだよね」
「ソ連軍ってね」
「それで行いも悪くて」
「とんでもない軍隊だったね」
「あの時はショーに出るので一杯一杯でそこまで考える余裕がなかったけれど」
 ロシア軍の士官ということになったことがです。
「けれどね」
「今思うとだよね」
「先生はロシア軍は好きじゃなくて」
「そうした設定でショーに出たくないね」
「どうしても」
「そうだよ」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「そうだよね」
「どうせならイギリス軍がよかったよね」
「先生当時イギリスにいたし」
「それでだね」
「そしてね」
 それにというのです。
「今だとね」
「自衛隊だよね」
「日本人になったし」
「いい組織だしね」
「先生よく学んで知っているしね」
「そうなりたいね、ただ自衛隊で馬に乗る人は少ないよ」
 そうなっているというのです。 
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